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【記者発】「壁」は創作のエネルギー 文化部・海老沢類

 報道陣のカメラの放列を前に、芥川賞を射止めた今村夏子さん(39)は恥ずかしそうに笑みを浮かべ、直木賞の大島真寿美さん(56)は唇をきゅっと結んだ。7月17日夜、令和初となる第161回芥川賞と直木賞の受賞を決め、東京都内の記者会見場に並んだのは女性2人。史上初めて直木賞候補6人が全員女性となって注目された今回を象徴するような光景だった。

 「女性作家の実力がそれだけ高かったということ」。直木賞の講評の中で、選考委員の桐野夏生さんがそう語ったように、女性作家の躍進は数字にも表れている。昭和10年に創設された芥川賞と直木賞の前回までの受賞者358人のうち女性は92人。全体としてみれば女性の割合は約26%にとどまる。しかし「平成」以降のデータに限れば事情は違ってくる。エンターテインメントが対象の直木賞では女性の比率は約35%。純文学から選ばれる芥川賞は約42%と半数に迫る。16年には当時19歳の綿矢りささんと20歳の金原ひとみさんの2人が芥川賞を射止めて社会現象にもなった。

 躍進の理由は1つではないだろう。ただ、こんな指摘には膝を打った。

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