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【スポーツ茶論】米の著名画家からの贈り物 清水満

巨人の原辰徳監督=東京ドーム(矢島康弘撮影)
巨人の原辰徳監督=東京ドーム(矢島康弘撮影)

 自宅の書斎に飾られている1枚の絵…。男はその前に立つと深く息を吸い込み、ゆっくりと吐いた。今年に入ってずっと続けている儀式だ。

 「この絵を見るとね、気力がみなぎる。“さあ、やってやるゾ”という気持ちが湧いてくるんですよ」

 男は原辰徳。巨人軍監督である。視線の先にある絵に描かれているのは『タイ・カッブの肖像画』。1900年代初頭から24年間にわたって主にタイガースで活躍、首位打者12度に輝くなど通算4191安打を放ち、米野球殿堂入りした第1号選手である。

 天才的な打撃を披露する一方で、歯に衣(きぬ)を着せぬ言動や粗暴な態度でトラブルを生むなど問題児の面もあったといわれているが、原は言った。

 「確かに性格的にいろいろ問題があったらしいけど、野球に対してはストイック。闘争心はすごかったという。絵に描かれている彼は勝負に対して鬼と化している姿。戦いの場に臨む気迫がある」

 モノトーンのシンプルなイラスト像に、原は魅せられた。作者は米国最高のイラストレーターといわれたバーニー・フュークスである。

 原とフュークスには“不思議な縁”があった。

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 1998、99年に巨人は米カリフォルニア州パームスプリングズで秋季キャンプを行った。そこで原は1枚の絵と運命的な出会いをする。フュークス作品の『スプリング・トレーニング・マウンテンズ』、縦129センチ、横56センチの縦長イラスト。夕暮れのキャンプ地を背景にして野球そのものではなく、それを楽しむ人々を描いた。その構図に感動し、すぐさま購入したという。以来ファンになった。

 「選手の扱いが大きくないんですよ。これがすごい」

 そういえば、フュークスには60年代にデトロイトで生産された車をイラストにした作品がある。車を描くだけでなく、周囲に楽しそうにする人々を描き込む。車が幸せを運んでくるイメージがあった。

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