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【新聞に喝!】世界史に学べ隣国との調整 インド太平洋問題研究所理事長・簑原俊洋

 隣国との関係というのは、どの時代でも多くの困難を伴うものである。アメリカとメキシコ、トルコとギリシャ等々、例を挙げ出すときりがない。そして、イギリスとアイルランドのように隣国でありながら、かつて宗主国=植民地の過去があれば、関係の維持・調整はさらに多くの努力を要する。当然、後者の例に日本と韓国が該当し、現在の日韓関係は正常軌道から大きく逸脱しているのは明白だ。

 ことの発端は、慰安婦問題やいわゆる徴用工問題を含む〈歴史問題〉であり、昭和40年の日韓請求権協定での合意をないがしろにして日本政府に責任を求める韓国政府および司法の行動がある。日本は韓国に掣肘(せいちゅう)を加える意図で、同国が日本に依存している3つの半導体材料の輸出管理厳格化に踏み切った。「ホワイト国」からの除外も決めた。日本政府曰(いわ)く、前者の問題とは全く無関係で単に韓国が輸出管理を適切に行っていないがゆえの安全保障上の措置だとする。

 しかしタイミングといい、世耕弘成経済産業相はもとより、安倍晋三首相自身も最初の発言では関連性を認めていたため、どのような大義を今さら持ち出そうと今回の措置が韓国に対する報復であることには議論の余地はない。

 主要紙の論調は分かれたが、私が問題としたいのは次の3点である。まず、どの新聞もこの度の措置が日本の〈国益〉と合致するのか否かという深い検証を行っていない。以前中国がレアアースの対日輸出規制措置を行った際、日本は一気に中国への依存度を下げた事実が想起されるし、安全保障領域への余波も考えられる。次いで、文在寅(ムン・ジェイン)政権の対日外交を動かしている力学が何であるかについても掘り下げて検討していない。最後に、この度の制裁が将来に及んで、韓国世論-特に反日感情をさほど有さない若者と保守派-に与える禍根についての考慮が見当たらない。

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