PR

ニュース コラム

【風を読む】韓国、よほど後ろめたいのでは 論説副委員長・長谷川秀行

18日、ソウルで記者会見する韓国銀行の李柱烈総裁(聯合=共同)
18日、ソウルで記者会見する韓国銀行の李柱烈総裁(聯合=共同)

 ずいぶん前のめりに動くんだな、と思った。韓国銀行(中央銀行)が決めた3年ぶりの利下げである。日本政府が半導体材料の輸出管理を厳格化したことで、経済の不確実性が増したのが判断を後押ししたという。市場はこれをサプライズと受け止めた。

 利下げ自体は想定内である。韓国経済は輸出依存が強く、対中国に偏重している。米中貿易摩擦などで中国経済が減速した影響は大きい。折あしく主力輸出品である半導体の市況も昨秋以降に悪化し、サムスン電子は直近の四半期決算で大幅減益に陥っていた。

 ただ、利下げをするにしても、米国の利下げを見極めてから、という見方が一般的だった。その前に韓国が早々と動いたから意外感があったのだ。韓国政府も半導体材料の国産化を進める総合対策を取る。矢継ぎ早である。それほど韓国経済は日本のせいで深刻な打撃を受けると言いたいのだろう。

 韓国がどんな政策を講じようと構わない。ただ、やたらと声高に危機感を示す姿には違和感も覚える。対日リスクの大きさをどこまで冷静に捉えているのかと首をかしげるのである。

 改めて指摘するまでもなく、日本の措置は禁輸でも輸出数量の制限でもない。手続きを簡素化する優遇措置をなくすだけである。これまでより手間がかかるため、日韓企業の活動に影響が及ぶことは否定しない。それでも正当な輸出なら必ず許可されるのだ。この点は冷静にみておく必要がある。

 それなのに韓国は、自由貿易を歪(ゆが)めているなどと筋違いの理屈で日本を非難する。もしかして、日本が審査を厳格化すると、韓国側での不正な横流しが次々に暴かれ、事実上、日本製部材の供給が途絶えるとみているのか。ならば、さぞ後ろめたいことだろう。そんな皮肉もつい頭に浮かぶ。

 一つ言えることは、文在寅政権の経済運営に対する国民の不満や、対日外交のまずさを糊塗(こと)するためにも、対日強硬策は好都合だということだ。だとすれば、何があっても振り上げた拳を下ろさないだろう。世界中で日本を貶(おとし)める情報戦も執拗(しつよう)に続けるに違いない。これに煮え湯をのまされたことは過去に何度もあった。理は日本にあるというだけでは足をすくわれる。万全の備えを怠るわけにはいかない。

関連トピックス

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ