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【主張】「ジャニーズ」注意 芸能界変わるきっかけに

 公正取引委員会から芸能界への異例の物言いである。多くの男性人気アイドルを抱えるジャニーズ事務所に対し、同事務所から独立した「SMAP」の元メンバーを出演させないよう民放テレビ局などに圧力をかけていた疑いがあり、独占禁止法違反につながる恐れがあるとして注意した。

 ジャニーズ事務所は「圧力をかけた事実はない」と否定した上で、「当局からの調査を受けたことは重く受け止め、今後は誤解を受けないように留意したい」というコメントを出した。テレビ局などのメディア側を含め、ファン不在の悪慣行はなかったか。業界全体で見直す契機としたい。

 独占禁止法は公正で自由な競争を促進し、消費者を守ることを目的にしている。今回は「競争相手の取引を不当に妨害する行為」につながる恐れがあると判断されたようだ。違反行為は認められなかったが未然防止の措置である。

 人気グループ「SMAP」は平成28年末に解散し、元メンバー5人のうち稲垣吾郎さん、草●剛さん、香取慎吾さんの3人が翌年ジャニーズ事務所から独立した。独立後はレギュラー番組が打ち切られるなど出演が減っていた。

 大手芸能事務所から独立した芸能人が画面から消えることは今回の問題に限らない。日本テレビ系情報番組の司会を務める加藤浩次さんは番組で「芸能界、テレビの歴史の中で当たり前のように扱っているが、今の時代おかしいんじゃないかっていう部分もある。業界が変わるきっかけになれば」と話した。芸能界からの勇気ある発言として耳を傾けたい。

 芸能人を育てるには宣伝など多くの経費がかかる。手塩にかけたのに移籍されては困るという事務所側の言い分もあろう。事務所との関係を重視し、起用を控えるテレビ局の忖度(そんたく)も指摘される。

 一方、所属事務所との関係で芸能人側に不利な契約が少なくないといわれる。公取委の有識者会議は昨年の報告書で、スポーツ選手や芸能人などの移籍を不当に制限することも独禁法に抵触する恐れがあるとした。これを受けて契約のあり方を見直す動きもある。

 視聴者不在で本当に見たいタレントが画面から消えれば、そっぽを向かれ、業界は自ら首を絞めかねない。公正で自由な競争がおもしろい番組につながることを改めて銘記したい。

●=弓へんに剪

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