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【主張】聖火リレー 日本の強さを発信しよう

 2020年東京五輪の開会式まで、まもなく残り1年になる。大会への期待感を高める聖火リレーは協賛企業や各都道府県でランナー約1万人の公募が始まっている。

 観戦チケットの抽選では、複数枚の当選を喜ぶ人がいた一方で、1枚も当たらなかったという不満の声も聞かれた。

 自国開催の五輪に、多くの国民が関わりたいと望んでいることが分かる。大会の成功には、「日本で開かれる五輪」として一人一人が関心を持つことが大事だ。全国をめぐる聖火リレーは、当事者意識を高める好機になろう。

 応募資格は、平成20年4月1日以前に生まれた人で、希望する都道府県にゆかりがあることが要件だ。国籍や性別は問われず、車いすの人も応募できる。一人でも多く手を挙げてほしい。

 聖火は来年3月26日、福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」を出発し、計857市区町村を121日間かけて回る。Jヴィレッジは東京電力福島第1原発の事故後、作業員らの前線基地となった場所だ。ルートには東日本大震災の津波に耐えた「奇跡の一本松」(岩手県陸前高田市)や、28年の地震で損壊した熊本城(熊本市)も選ばれた。

 聖火リレーは名所旧跡を巡って日本の魅力をPRするとともに、復興した被災地の姿を伝え、世界から寄せられた支援に感謝を伝える場でもある。災害に屈しない日本の強さは、世界の人々の希望となるはずだ。

 昭和39(1964)年の東京五輪では、ギリシャから空輸した聖火が沖縄に運ばれた。輸送機で客室乗務員を務めた元日本航空の横尾政夫さん(85)は、米統治下の沖縄の人々が日の丸の小旗を振る姿を見て「沖縄は日本の一部なんだと実感した」と語る。

 聖火は4つのルートに分かれて全国を巡り、参加者は約10万人にのぼった。東京・国立競技場に点火された聖火は、戦後19年を経た日本の国際社会への復帰を象徴する火でもあった。それらの記憶も、今回の聖火リレーを通じて次代に継承したい。

 大会組織委員会は復興や多様性社会の実現を念頭に置き、「支えあう心」「認めあう心」「高めあう心」を応募のキーワードに掲げる。これからの社会に自分がどう関わるのか。聖火リレーを通して見つめ直す機会にもしたい。

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