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【主張】人口減少の加速 発想の転換で国難克服を

 わが国の人口減少幅が43万人と過去最大となった。これで10年連続の減少である。

 人口減少が加速している現実は、日本が内側から軋(きし)み始めていることの証左である。国難と言っていい。厳しい現実から目をそむけず、腰を据えて抜本的な対策を講じていかねばならない。

 総務省は10日、今年1月1日時点の住民基本台帳に基づく人口動態調査結果を発表した。

 国内の日本人は、前年より43万3239人少ない1億2477万6364人だった。減少幅が40万人を超えたのは、昭和43年の調査開始以来、初めてだ。昨年1年間の出生数は最少の92万1千人で3年連続で100万人を割った。

 出生数が死亡数を下回る自然減は12年連続となる一方、東京圏は増加した。少子化と人口の東京一極集中が改めて顕著となった。

 過去の出生数減少の影響で、出産可能な年齢の女性数も激減していく。日本の少子化は簡単には止まらないと認識すべきだ。約30年後の2050年代には毎年90万人減ることが予想される。今後、出生率が改善しても出生数は減っていく。国力の衰退そのものだ。われわれはこの厳しい現実と向かい合っていかねばならない。

 国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」(平成29年)によると、40年後には9000万人を下回り、現在より3割ほど少ない7割国家となる。こうした事態を見据えた、中長期の戦略立案が急がれる所以(ゆえん)だ。

 参院選の公約で与野党とも、子育て支援をうたっている。だがそれは、急激に縮む人口減をどうやって止めるのかという、中長期の対策とはとても言えない。目の前の対症療法的な支援にすぎず、この国が縮む抜本的な処方箋とはなっていないからだ。

 自民党は、人口減少対策について、「AIや(身の回りのモノをインターネットにつなげる)IoT、ビッグデータで人口減少を強みに転換する」とした。人口減少を前提に、人手不足を補う手段として活用しようということなのだろう。だが、これで十分というわけではない。

 人口減少は止まらない。ならば人口が減っても豊かさを維持するにはどうすればよいのか。その道筋を示すのは政治の責任だ。与野党とも事の重大性を認識し、有効な対策を急がねばならない。

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