PR

ニュース コラム

【宮家邦彦のWorld Watch】ボルトン氏は最後の希望か

 ボルトン国家安全保障担当大統領補佐官はいわゆるタカ派のネオコンだ。選挙に関心のない彼は「完全、検証可能、不可逆的な非核化」政策の実現に向け「統治」を試みる数少ない側近の一人だ。その真骨頂が本年2月末のハノイ米朝首脳会談の「決裂」だろう。

 ボルトン氏に比べれば、ポンペオ国務長官は統治とも選挙とも距離を置く日和見主義者に見える。彼の行動基準は大統領が望む、すなわち選挙に資する外交政策を立案・実現できるか否かだ。ポンペオ氏は国務長官就任前から北朝鮮問題に実質的に関与してきた。されば今回の第3回米朝首脳会談以降、米の対北朝鮮外交では、ポンペオ氏を中心とする柔軟路線が再び主導権を握る可能性が高い。

 米国が現在直面する核拡散問題は2つ、北朝鮮とイランである。だが、両国の最大の違いは、北朝鮮が核兵器を持つのに対し、イランが未入手であることだ。されば、優先順位も当然決まってくる。トランプ氏が北朝鮮よりイランを優先する可能性は高い。

 トランプ政権内でボルトン氏は「最後の希望」だろうか? 答えはイエスとノーの両方だ。確かに、北朝鮮政策に関しては日本とボルトン氏との間に共通点が多い。その意味でボルトン氏は最後の希望かもしれない。だが、イランに関しボルトン氏は挑発もいとわない最強硬派であり、万一イランが誤算すれば、湾岸地域全体が不安定化しかねない。その意味でボルトン氏は劇薬でもあるのだ。どちらに転んでも、日本は難しい判断を迫られるだろう。

【プロフィル】宮家邦彦(みやけ・くにひこ) 昭和28(1953)年、神奈川県出身。栄光学園高、東京大学法学部卒。53年外務省入省。中東1課長、在中国大使館公使、中東アフリカ局参事官などを歴任し、平成17年退官。第1次安倍内閣では首相公邸連絡調整官を務めた。現在、立命館大学客員教授、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。

関連トピックス

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ