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【朝晴れエッセー】わが家の家庭菜園・7月10日

 ようやく暖かくなりだした4月中旬、今年はベランダでオクラを育てることにした。ポットの鉢を10個用意してそれぞれに1粒ずつ種をまいて様子を見ていた。

 そして1週間後に双葉が顔をのぞかせたが、そのうちの3本が黄色く変色して、しばらくすると両葉とも地面に落ちてしまった。みな公平に水もたっぷりとやり、日光にも当てていたのに。その葉を裏返してよく見ると、何かしら密集して蠢(うごめ)いているのが見える。

 早速、虫眼鏡を出してきてのぞいてみるのだがその正体は依然として分からない。そこで昔、おいからもらったおもちゃの顕微鏡があったので、それで観察することにした。すると緑色をした虫が横たわって、しきりに手足をばたつかせている。よく見ると目もあるし口もある。これが養分を吸っていたのか。しかしこんな目にも見えないような虫を神様はどうして作る気になったのだろう。

 同じ命でも生涯、日の当たらない土の中で生きている生命もあれば、海底の光も届かない深海で生きている生物もいるのだから不思議だ。

 今では5本のオクラが元気よく空に向かって成長している。やがてそれに花を咲かせ実を付ける日が来るだろう。そしてわが家の栄養源として食卓に上る日もそう遠くはないはずだ。

 この植物は寒い冬を全く知らない、たった半年間の命だけれど精いっぱいこの世の空気を吸っておくんだよ。そして来年用の子孫もたくさん残しておくれ。

黒田 堯 75 兵庫県赤穂市

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