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【東京特派員】江戸前のノリが危ない 湯浅博

 夏の陽光を浴びた房総半島の富津岬は、まるで東京湾の脇腹にナイフを突きつけたような形状をしている。岬の突端にある展望台から、湾内を眺めるのは何十年ぶりだろう。6キロ離れた対岸の三浦半島観音崎をはじめ、横須賀、横浜は指呼の間にある。

 上総地方の中心都市、木更津に駐在していた駆け出し記者のころに、よく富津岬から海を眺めていた。岬の北側にある釣宿「寿々春丸」で、週に一度、湾内の釣り情報を聞きに来ては、帰りにこの岬に立ち寄った。

 いま見る東京湾は、ここから「第一海堡(かいほう)」に伸びる三日月形の砂州がやや右方向、湾の内側にずれてきたように感じる。海堡とは、明治に首都防衛のためにつくられた要塞島だ。まるで、浦賀水道に飛び石を置いたように3つの海堡が配置されている。

 美しい岬の風景は、今も昔も変わらない。だが、波立つ海面下では、いま、何かが起きている。この数年、江戸前のノリ養殖に異変が起きて、収穫量がピーク時の4分の1に減ってきた。

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