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【一筆多論】対韓規制を難じる不可解 長谷川秀行

 まず、今回の措置は韓国への優遇をやめるだけの話であり、禁輸や追加関税といった新たな輸入制限ではない点を認識しておかなければならない。日本企業に及ぶ影響に目配りが必要としても、措置そのものが行き過ぎとは思えない。

 運用の妥当性はどうだろう。特定国への規制を緩める優遇策は、その国が自国内で適正に貿易を管理していることが条件だ。この判断は国家同士の信頼関係がないと成り立たない。

 日本は2004年、輸出規制を緩めるホワイト国に韓国を加えた。欧米などと違い、韓国は通常兵器に転用可能な一部品目の輸出管理が不十分だ。それでも大目にみてきたのは、韓国を信頼したからである。

 その前提が崩れたのである。徴用工だけでなく、慰安婦問題や自衛隊機へのレーダー照射でも韓国は国際ルールを顧みない。対北融和が顕著であり、禁輸品が北朝鮮に流れる恐れはないか。対抗措置であろうがなかろうが、輸出審査を厳格化するのは当然である。

 では、米中とはどう違うのか。中国で思い出すのは10年秋の尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件後、レアアースの対日輸出を唐突に滞らせて圧力を強めた一件だが、理由や手続きの透明性は皆無だった。世界貿易機関(WTO)でも中国によるレアアースの恣意的な輸出制限は否定された。

 米国は同盟国の日本まで安全保障上の懸念があるとして鉄鋼などに追加関税をかけた。国際ルールとの整合性など眼中にない一方的制裁だ。米中と比べ、国際ルールから逸脱しないよう法的手続きを踏みながら運用を厳格化した日本との違いは明らかだろう。

 それがこれほど否定的にみられるのは政府の説明不足も大きい。例えば、対韓輸出に不適切な事案があったというが、その概略さえ示さないようでは不信の目をなかなか拭えまい。

 危惧するのは、日本は独善的だという誤解が広がることだ。日韓関係をこじらせた原因は韓国にある。ここをはっきりさせるためにも政府はもっと丁寧に説明すべきだ。(論説副委員長)

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