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【主張】北方領土 外相は説明責任を果たせ

 河野太郎外相は、北方領土問題をめぐり、四島返還の実現を目指しているのか、それとも四島はあきらめて二島返還を目指しているのか。

 この対露交渉の基本、核心事項を国民に対してはっきりと説明すべきである。それは河野氏を任命し、プーチン露大統領と会談を重ねる安倍晋三首相についても同様だ。

 河野氏が1日に都内で講演した際、本紙が対露交渉について「四島返還という『歴史的正義』にもう一回立ち戻って交渉をやり直すということは全く考えておられないのか。確認したい」と質問した。河野氏は「全く考えておりません」と答えた。

 本紙は、ネットも含め「河野外相、四島返還『考えていない』」などの見出しで報じた。河野氏はツイッターで「ひどい捏造(ねつぞう)」と記し、記者団に「誤報」であるとして「全く(交渉)方針を変えることはないという意味で申し上げました」と語った。

 実際の質疑から、河野氏の説明のような意味をくみ取れる人がいたとは思われない。河野氏は自分の言葉足らずを認めたくなかったのか。質疑のやり取りを報じた報道を「捏造」と決めつけたのは、軽々に過ぎる振る舞いだ。

 河野氏は昨年12月11日の会見で、北方領土をめぐるラブロフ露外相発言について問われ、4度の質問すべてに「次の質問どうぞ」とだけ述べ、批判を浴びた。

 機微のある外交ゆえに全てを明かせない点は分かる。だが、あまりにつっけんどんだったり、言葉足らずの返答をしたりするようでは外相の資質を疑われる。

 日本が長く求めてきた四島返還の方針がいつのまにかうやむやになり、ロシアに足元をみられているのが現実だ。昨年11月、日ソ共同宣言に基づく交渉加速が合意され、政府が色丹、歯舞の二島返還に舵(かじ)を切ったと誰もが受け止めている。今年の外交青書から、前年版まであった、四島は日本に帰属するとの趣旨の記述も消えた。

 もとより四島は日本固有の領土だ。総面積わずか7%の二島でいいと妥協して済む話ではない。

 安倍首相や河野氏が交渉の基本方針をきちんと説明していないのは残念だ。領土は国の主権に関わる。政府が取り戻そうとしているのが四島なのか二島なのか。かつその理由を国民は知った上で、是非を判断していく権利がある。

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