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【日曜に書く】田辺聖子さんと品の良さ 論説委員・山上直子

 例えば、田辺さんは昭和3年生まれだが、若い叔父や叔母がたくさんいて「彼らは撞球(たまつき)に凝り、ピンポンに興じ、レコードで流行歌を聞き」と、大正デモクラシーの香りを描写する。

 そして「おお、そういえば…この大正はじめ、大正二年の十月には、大阪の南区生玉前町で織田作之助が生魚商の息子として生れている」とくる。大阪の近代史の“おもしろすぎる教科書”でもあるのだ。

 そこには、和歌や俳句とは違う川柳ならではの性格もある。イギリス出身の文学者で俳句や川柳に詳しいレジナルド・ブライスのこんな苦言があった。

 「なぜ、日本の方は、先祖や、自分たちの持っているものの良さを自分自身で認めることが出来ないのでしょう。(中略)川柳は日本独特の人生詩で、日本民族が生んだ世界に大いに誇ることの出来る傑れた諷刺詩です」

 最後は水府のこんな川柳で締めたい。

 〈大阪はよいところなり橋の雨〉(やまがみ なおこ)

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