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【主張】日産の経営改革 資本関係の見直しを急げ

 日産自動車が経営の監督と執行を分離する「指名委員会等設置会社」に移行する。同社の株主総会で議決された。

 特別背任などの罪で起訴された元会長のカルロス・ゴーン被告に権力が集中していた経営体制を改革し、企業統治を強化するのが狙いである。

 筆頭株主の仏ルノーは総会直前、この改革案に難色を示していた。結局、ルノー出身者に委員会ポストを割り当てることで収まったが、ルノーの同意がなければ改革が進まないという日産の大きな課題も浮かび上がった。

 ルノーは日産との経営統合に強い意欲をみせている。ルノーが大株主の権利を主張して日産経営の独立性が脅かされれば、企業価値を損なうことになりかねない。

 今回の総会では、両社に深刻な亀裂が生じた。互いの信頼を取り戻すためにも、現在の一方的な資本関係を見直し、対等な立場で企業連携を再構築すべきだ。

 役員人事により、11人の取締役のうち、過半数の7人が社外取締役となった。取締役会議長も外部出身者が務める。外部の客観的な視点で経営を監視し、経営陣による不正などの再発防止を徹底しなければならない。

 西川広人社長が総会で、ルノーとの資本関係見直しに向けた協議を始める意向を表明したのは評価できる。

 現在はルノーが日産に43%出資する半面、日産はルノー株を15%しか保有しておらず、議決権もない。こうしたいびつな資本関係を是正するのは当然だ。

 その必要性は高まっている。ルノーが総会前、委員会設置会社に移行する議案の採決を棄権する意向を一時的に示したのは、ルノー出身者が就くポストが少ないとの反発からだ。日産の企業価値を高める経営改革より、自らの利益を優先する姿勢は許されない。

 今回の経営改革は外部有識者の提言を受けたものだ。ルノーの影響力を排除して経営判断する改革を求めていた。だが、日産はルノーの賛成を得るため、ルノー出身者を監査委員会メンバーにも加えた。これで本当に経営の独立性を確保できるのか。

 今後も両社の主導権争いが続けば、世界の自動車業界で激化する競争には打ち勝てまい。日産が企業再生に全力を挙げるためにも、ルノーとの関係を含めた経営体制の再構築を急がねばならない。

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