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【宮家邦彦のWorld Watch】ローマ対ペルシャの再衝突

イランの革命防衛隊がテヘランで公開した米国の無人偵察機のものとされる残骸 =21日(ロイター)
イランの革命防衛隊がテヘランで公開した米国の無人偵察機のものとされる残骸 =21日(ロイター)

 先週ホルムズ海峡上空で米国の無人機(ドローン)がイランに撃墜されたが、東京の反応は意外に鈍かった。日本でドローンといえば、秋葉原のモデルショップで売っているプラスチック回転翼付きの機体をリモコンで操縦する代物だからか。だが、今回撃墜された米軍ドローンは最新鋭無人偵察機、大きさはジェット戦闘機並みだ。冷戦時代のU-2機だと思えばよい。ソ連(当時)はそのU-2を1960年に撃墜、その直後に米ソ首脳会談はキャンセルされた。イラン革命防衛隊が米軍機撃墜の意味を知らぬはずはない。今週は最近の米イラン対立について書こう。

 正直なところ、イランが最近の米国による挑発にかくも簡単に過剰反応するとは思わなかった。筆者の現時点での見立ては次の通りである。

 米イランは相互抑止 中東における米軍のプレゼンスは今も圧倒的だが、イランも中東各地で米国の権益を脅かすことが可能だ。米イラン間には相互抑止が機能し、2015年のイラン核合意はその結果だったのである。

 ルールを変えた米国 昨年トランプ政権はその核合意から離脱し、最近ではイランの石油輸出を事実上禁じる制裁を再発動する。これにより米イラン間の戦略的関係は大きく変化し始めた。

 緊張拡大も相互的 米国は革命防衛隊をテロ組織に指定し、軍事的圧力を強化したに違いない。過去数週間にイランが4隻のタンカーを攻撃したのは決して偶然ではない。日本所有タンカーへの攻撃も、革命防衛隊の一部最強硬派が対米対話再開阻止のため行ったと考える。

 トランプ氏は良い警官か 大統領は攻撃直前に対イラン軍事報復を中止したと報じられたが、これでイランが改心するとは思えない。テヘランはトランプ政権内が割れていることを熟知している。米の目的はイラン体制崩壊か、それともイランと新たな核合意を結ぶことなのか。これがはっきりしない限り、両国間の対話は始まらない。

 戦争は強硬派を助ける トランプ政権の安保政策チームは、副大統領も含め、対イラン強硬論者のようだが、戦争はイラン政権内の穏健派を弱体化させ、強硬派を勢いづけるだけだろう。

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