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【葛城奈海の直球&曲球】プラスチックごみ問題に日本の英知

米ハワイの海岸に打ち上げられたさまざまなプラスチックごみ(米海洋大気局提供)
米ハワイの海岸に打ち上げられたさまざまなプラスチックごみ(米海洋大気局提供)

 海洋プラスチックごみ問題が、にわかに注目を集めている。長年、漂着ごみ清掃を通じてプラごみ対策を訴えてきた者としては、「脱プラ」への社会の動きを歓迎したい。

 ごみが少なく美しいといわれる日本でも、人目につきづらい河口や入り江、海岸には、ペットボトル、発泡スチロール、プラスチック、漁具のブイ、漁網などたくさんのごみが漂着していて、安さと利便性ばかり追求してきた現代社会の裏面を見る思いになる。何よりやっかいなのは、日差しや波で劣化し、無数に砕かれたプラスチック片だ。とても拾いきれるものではないし、これを魚が餌と間違えて食べれば、海の生態系に影響を与えるばかりでなく、その魚を食物連鎖上位の人間などが食べ、自然のしっぺ返しともいうべき形で人体にも影響を及ぼす。昨年の宗像(むなかた)国際環境100人会議では、「世界の海はマイクロプラスチック(5ミリ以下になったプラスチック)のスープになっている」との報告もあった。

 レジ袋の有料化やストローの自然素材化には、批判的な意見もある。もちろん、それだけで、プラごみ問題が解決するわけではないが、自然に還(かえ)らない素材から「還る素材」への転換を図るための意識付けとしての意義もある。

 解決方法は、大きく2つある。ひとつは、伝統的な自然素材の見直しと復活。18日付本紙主張にもあったように、食品トレーの代わりについ数十年前まで日本人が使っていた、竹の皮や木材を薄く削った経木(きょうぎ)などは、ぜひ復活させたい。もうひとつは、新しい生分解性素材の開発だ。

 一方、どんなに先進国が努力しても新興国など今でもごみを川や海に投棄することが当たり前の国々も多い。そうした国々へ丁寧に説明し抜本的な意識改革を促すことも急務であろう。安倍晋三首相は海洋プラごみ対応を明日からの「20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)の最大のテーマの一つ」に掲げている。地球環境問題への対策は、元来、自然とともに生きてきた日本人の得意分野であるはずだ。G20をホップ、来年の東京五輪・パラリンピックをステップに日本の英知を世界に広めたい。

【プロフィル】葛城奈海(かつらぎ・なみ) やおよろずの森代表、防人と歩む会会長、ジャーナリスト、俳優。昭和45年、東京都出身。東京大農学部卒。自然環境問題・安全保障問題に取り組む。予備役ブルーリボンの会広報部会長。著書(共著)に『大東亜戦争 失われた真実』(ハート出版)。

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