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【論壇時評】7月号 70歳定年時代 雇用システム改革急げ 論説委員・岡部伸

東京駅前の横断歩道を行き交う人々。「70歳定年時代」は到来するか
東京駅前の横断歩道を行き交う人々。「70歳定年時代」は到来するか

 少子高齢化と人口減少による働き手の不足への対策として、政府は雇用機会を70歳まで拡大する検討を始めた。いよいよ「70歳定年時代」の到来か。

 7月号の月刊各誌は、「定年消滅-人生100年をどう働くか」(『中央公論』)、「令和の幸せな働き方」(『Voice』)などの特集を組んだ。

 高年齢者雇用安定法では、希望者に対し原則65歳まで働けるようにすることを企業に義務付けているが、政府は5月15日、首相官邸で開いた未来投資会議で、希望する人が70歳まで働ける機会を確保することを企業の努力義務とする方針を示した。

 未来投資会議に政府が示した案では、70歳までの就業機会確保に向け、(1)定年廃止(2)70歳までの定年延長(3)継続雇用制度の導入(4)他企業への再就職や起業の支援-などを選択肢として例示。企業側に制度づくりや従業員支援を求める。

 安倍晋三首相は「元気で意欲ある高齢者の方々に、経験や知恵を社会で発揮していただく。それぞれの高齢者の特性に応じて多様な選択肢を準備する必要がある」と述べた。

 労働政策研究・研修機構研究所長の濱口桂一郎は、『中央公論』で日本特有の課題を挙げた。「日本のように雇用システム自体が根本的に年齢に基づくシステムになっている場合には、雇用システムの組み替えなしに七十歳までの雇用を実現しようとするのは大変難しい」との指摘だ。会社とはジョブ「職」の束であり、その「職」にふさわしい技能を有する人を欠員採用する「就職」が行われる欧米の「ジョブ型社会」と違い、日本は「メンバーシップ型社会」だという。メンバーたる「人」の束である会社にふさわしい人を新卒一括採用で「入社」させ、定期的に適当な「職」をあてがい、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)で作業させながら技能習得させ、勤続とともに「能力」向上を前提に年功的に賃金を上昇させている。

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