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【主張】首相のイラン訪問 成果焦らず関与を続けよ

 振り上げた拳を下ろせぬ米国とイランの間に割って入り、ぶつかり合いを押しとどめる。その役割がイラン側からも託されたといえよう。

 イランを訪れた安倍晋三首相が最高指導者のハメネイ師と会談した。めったに外国首脳と会わない同師が首相を迎えたことは、イランの期待の大きさを物語る。同師は「核兵器を製造も、保有も、使用もしない。その意図もない」と述べた。

 首相はロウハニ大統領とも会談し、「何としても武力衝突は避ける」「できる限りの役割を果たしたい」と述べた。日本の立場と決意を明確に示したものだ。イランの核関連活動を制限する欧米などとの核合意について、維持表明を引き出したのはよかった。

 トランプ米大統領もイラン情勢をめぐる緊張緩和に向け、日本の積極的な関与に期待を表明している。核合意に加わっていない日本も、この問題をめぐる主要なプレーヤーとして国際的に認知されたといっていいだろう。

 トランプ米政権が昨年、イラン核合意から離脱して制裁を再開して以降、両国関係は悪化の一途をたどった。最近は、米同盟国サウジアラビアのタンカーに対する攻撃などイランの関与が疑われる事件が相次ぎ、米国は空母や戦略爆撃機を中東に展開させている。

 米、イランは1979年のイラン革命後に断交し、40年にわたり敵対してきた。その両者が一夜にして態度を変えることはあり得まい。安倍首相のイラン訪問は、緊張緩和に向けた最初の一歩と位置づけるべきである。

 トランプ、ロウハニ両大統領はともに戦争を望まないとしながらも強硬姿勢を崩さず、偶発的衝突の危険がつきまとっている。

 両国と良好な関係を保つ日本がこの「歯止め」として存在するだけでも意義は大きい。成果を焦らず、両国による対話の機会をじっくり探るべきだ。

 今月末の大阪での20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で来日するトランプ氏と安倍首相との会談は、緊張緩和に向けた次の重要な機会となる。サミットや各国首脳との交流と併せ、これを後押しする国際世論を形成したい。

 首相のイラン訪問中、ホルムズ海峡で日本のタンカーが攻撃された。こういう時期だからこそ、航行の安全確保にも最善を尽くさなければならない。

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