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【主張】1610人が所在不明 文科省は留学生に責任を

 学校の運営を指導監督する立場の文部科学省が「性善説」に立っていたとは、言い訳にすらなっていない。なくせるはずの不正が横行するのは当たり前だ。

 留学生の不適切な受け入れが判明した東京福祉大学を指導した文科省の姿勢のことだ。

 まず襟を正すべきはでたらめな運営をしていた学校側だが、文科省も人ごとではない。多くの留学生が所在不明となっている。文科省は出入国在留管理庁と連携を強化し、似たような事態が他の学校でも起きていないか調査に努めねばならない。

 文科省と入管庁は11日、大学などに留学生の在籍管理を徹底するための方針を発表した。東京福祉大で多くの留学生が所在不明になったことを受けた措置だが、遅きに失した。柴山昌彦文科相も会見で、「性善説に立っていた。的確な把握が遅れたことは問題があった」と対応のまずさを認めた。

 方針では、所在不明者が多数発生した大学などへの改善指導を強化する。改善しなければ、「在籍管理非適正大学」として在留資格の付与を停止し、大学名を公表することなどが柱だ。

 東京福祉大については、問題の多い学部研究生の新規受け入れを当面停止するよう指導した。留学生受け入れを認めない厳しい措置である。所在不明者を多数出してきたのだから当然だ。消えた留学生が不法就労すれば、大学が犯罪を助長しているも同然である。

 不可解なのは、学内で受け入れ拡大を決めた経緯が不透明とした点だ。平成28年度から3年間で所在不明者は1610人となった。異常な増え方だ。大学側は教育そっちのけで留学生をかき集めていたのではないか。文科省はこの点をあいまいなままにすべきでない。大学は、急ごしらえの改築で教室内にトイレがあったほか、銭湯の2階を教室としていた。

 私学助成金の減額や不交付も検討する。同大は28年度から3年間で学費収入が約12億円増えた。私立学校振興助成法に基づく国の補助金は29年度に約4億3400万円に上る。これでは、教育に名を借りた留学生ビジネスと批判されても仕方あるまい。

 少子化で日本人学生が減り、経営に苦しむ学校法人は多い。そこにつけ込み、留学生を就労目的で斡旋(あっせん)する業者もいる。留学生制度の抜本的な見直しが急務だ。

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