PR

ニュース コラム

【朝晴れエッセー】平成のパラダイムシフト~そして令和へ・6月12日

 この春、7年かけて大学(通信)を卒業した。48歳で大学に入学した私には、卒業することへの思い入れがあった。普通なら30年前に大学へ進学するはずの年齢であるが、当時の私には進学することなど考えられないことであった。

 5歳のときに交通事故で右足が義足になった私には、高校への進学すら難儀なことだった。義足の不具合、それによる思春期の悩み、心も身体もヘトヘトだった。当然のように学業はおぼつかなく、卒業時に担任の先生から「あなたはもう、学校へ来ただけでいいです」と成績表を返された。

 当時の義足には、今のような肌に負担の少ないシリコン素材もまだ使われておらず、市販の綿のくつ下にあたりのソフトなフランネル生地を縫い付けて、肌に装着するような粗末なものであった。それでも全体重がかかれば、その縫い目ですら、飛び上がるほど痛かったのを覚えている。

 ここ数十年の義足の進化は、目覚ましいものだ。またそれによる義足のユーザーの社会進出は、私が十代であった昭和のころの社会の意識を大きく変えた。テレビのコマーシャルに、義足のユーザーが出るなど考えられない時代であった。まさに天動説から地動説へ、パラダイムシフトである。

 この平成のパラダイムシフトは、さらに進化を続けて、令和の時代により広く、自由に開放されていくことだろう。来年のオリンピック、パラリンピックが楽しみだ。

高塚 紀子 55 横浜市保土ヶ谷区

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ