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【思ふことあり】持続可能な社会をつくる知恵 スポーツジャーナリスト・増田明美

ロス五輪開会式 背中にジェットエンジンを背負った男性が空を飛び、開会式の会場に降り立った=1984年7月28日
ロス五輪開会式 背中にジェットエンジンを背負った男性が空を飛び、開会式の会場に降り立った=1984年7月28日

 空からロケットマンが飛んできてフィールドに降り立った、1984年ロサンゼルス五輪の開会式。私は翌日のマラソンを控えて緊張しながら、新しい時代の幕開けを見ていた。

 オリンピックの商業化が本格化したのは、このロス五輪からだと一般的にはいわれている。ただ、これには少し誤解があるようだ。実は、もうけようとしたのではなく、税金を使わないようにするためだった。

 76年モントリオール五輪で巨額の赤字を出し、そのツケを市民は2006年まで30年間も税金で負担し続けることになった。同じ轍(てつ)を踏まないようにと、ロス五輪ではコスト意識の高い民間出身者が組織委員会を率いて結果的に黒字化したのだ。

 北京やソチのように、インフラ整備も兼ねて行われた五輪では、費用が膨らんでよしとする場合もある。しかし、成熟した先進国での開催となると、そうはいかないだろう。アテネやリオデジャネイロの競技施設が朽ちていく姿は悲しく、むなしい。

 28年に三度開催されるロス五輪では、新たに建設する施設は1つだけだと発表されている。プロスポーツが盛んなので競技場が数多くあるおかげでもあるが、それにしても、たった1つとは驚いた。拡大し続ける大会の開催費用に歯止めをかけるターニングポイントになるかもしれない。

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 オリンピック、パラリンピックは世界中から選手や観客、そしてメディアが集まる。ショーケースとしての機能は大きい。そこで持続可能な社会のお手本を見せる良いチャンスだ。

 1998年の長野大会ではリンゴジュースの搾りかすを使った紙皿が話題になった。2012年のロンドン大会は、ジャガイモを原料にした容器を見かけた。そしていまや、ゴミ自体を減らそうと「食べられる容器」が注目されている

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