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【日曜に書く】アスリートの言葉 論説委員・別府育郎

人間は一人ではない

 競泳の池江璃花子が今月、自身のホームページを開設した。応援ボタンをクリックすると世界中のあらゆる言語で「ありがとう」の文字が浮かび、漂う。

 白血病を公表して闘病中の池江は自筆のメッセージで「現在、治療は順調に進んでいます」と現状を報告し、「正直、心が折れそうな時もあります。ですが、たくさんの言葉にはげまされ、最後まで頑張りたい、負けたくないという気持ちがこみ上がってきます」と心境を吐露していた。

 こうもつづっている。

 「同じ病気の方達の気持ちは多少分かったつもりではあります。どんな時でも1人ではない事を忘れません。そして忘れないでほしいです。一緒に頑張りましょう!」

 なんという健気(けなげ)、殊勝。優れたアスリートは、すてきな言葉も持つ。彼女の快癒を願うとともに、現役時代の松井秀喜を思いだしていた。

 平成18年秋、全国でいじめに悩む子供の自殺が相次いだ。一人でも思いとどまってもらえる紙面を作れないかと、当時ヤンキースの松井に相談を持ちかけた。松井からはこう届いた。

 「もう一度考えてほしい。あなたの周りには、あなたを心底愛している人がたくさんいることを。人間は一人ではない。一人では生きていけない。そういう人たちが悲しむようなことを絶対にしてはいけない」

 メッセージは、産経新聞の1面に掲載した。

神様の試練

 池江は2月、自身のツイッターに「神様は乗り越えられない試練は与えない、自分に乗り越えられない壁はないと思っています」と記した。池江へ向けられた多くの励ましのメッセージに応えたものだった。骨髄バンクへの登録や輸血、献血の行動に感謝し、「必ず戻ってきます」と文面を結んでいた。

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