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ニュース コラム

【主張】景気動向「悪化」 米中摩擦に冷静な対処を

 中国経済の減速を主因とする景気変調がいよいよ鮮明になってきた。

 内閣府が発表した3月の景気動向指数が下落に転じ、そこから機械的に割り出している景気の基調判断が、6年2カ月ぶりに「悪化」へと引き下げられたためである。

 戦後最長の景気回復局面としてきた安倍晋三政権の認識が「幻」だった可能性を示唆する結果である。政府の正式な景気判断は今月下旬の月例経済報告を待たねばならないとしても見過ごすわけにはいかない。

 政府に経済対策を求める声は出るだろう。10月に予定される消費税増税の是非論が高まる事態もあり得る。ここは、景気悪化がどの程度なのかを見極めて、冷静に対処すべき局面である。

 折しも13日には米国が、中国からの輸入品3千億ドル分に最大25%の追加関税を課す制裁案を発表した。先の制裁拡充に続く措置であり、発動されればほぼ全ての輸入品が制裁対象となる。中国も先の制裁に報復関税を課す。株式市場は大荒れの展開が続いている。

 留意すべきは、米中が報復合戦から抜け出せないのか、あるいは貿易停滞に歯止めをかけるのかが今も見通せないことである。それ次第で、日本企業を取り巻く経営環境はがらりと変わる。

 貿易上の対立が長引いても、米経済が堅調なことや中国の景気対策効果もあろう。日本企業の中には中国以外に生産拠点を移す動きがあり、ある程度はリスクを抑制できるかもしれない。これらがはっきりしないまま、過度の悲観論に陥るのは避けるべきである。

 景気動向指数が下落したのは半導体製造装置や自動車関連などの生産や出荷が落ち込んだことが響いたためだが、日本経済が総崩れになっているわけではない。

 上場企業の3月期決算は3年ぶりの最終減益となる見通しとなったが、多くの企業の収益水準は今も高い。内需を支える個人消費も底堅さを保っている。

 気がかりなのは、先行きを懸念するあまり、企業の経営心理が冷え込むことである。これにより投資意欲が減じるような展開となれば、景気は失速しかねない。

 政府が必要に応じて内需を支える対応を適切に講じるべきはもちろんだ。同時に民間企業も生産性などを高める改革に取り組む。景気の「悪化」を定着させないためにも銘記しておくことである。

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