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【スポーツ茶論】人種偏見と闘った男、T・ウッズ 黒沢潤

トランプ米大統領から勲章を贈られたタイガー・ウッズ=6日、ワシントン(ロイター)
トランプ米大統領から勲章を贈られたタイガー・ウッズ=6日、ワシントン(ロイター)

 米国赴任中の2012年、ニューヨーク郊外で米男子ゴルフツアー「ザ・バークレイズ」を観戦した際、タイガー・ウッズを初めて目にした。黒ヒョウを思わせる鋭い視線、異様に盛り上がった両肩の筋肉-。しばし圧倒されたものだが、彼が美しい緑のフェアウエーを同じ組の選手と移動する際、ケラケラと軽い調子で笑う様子に興ざめした。

 3年前に愛人問題が次々と発覚、醜聞が頭から離れなかったせいもある。ウッズに嫌悪感を拭い切れないでいた。

 とはいえ、「天国から地獄」に落ちた人間のその後の生きようには日頃から関心を抱き、ウッズもいつの日かはい上がってくることをひそかに願ってもいた。だからこそ先月の米マスターズ最終日、ウッズが最後のパットを沈めてライバルとの死闘を制したとき、心を強く揺さぶられた。

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 その約10日後。ウッズが若き日に人種差別に直面しながらも、世界の頂点にたどりついたという秘話を英紙で読み、畏敬の念を持つに至った。

 記事の見出しは「天才、病的な人種差別を耐え忍ぶ」。米カリフォルニア州のゴルフコースでウッズを指導したコーチの証言に基づくものだ。

 それによると、「神童」として5歳でテレビ出演まで依頼され、8歳で世界ジュニア選手権を制したウッズが同コースを初めて回ろうとした際、コースのマネジャーは10歳未満という年齢を持ち出しプレーを阻止。コーチは「100%人種差別」と振り返る。

 ウッズが全米ジュニア選手権で優勝した15歳のころ、タイ出身の母がコーチらと祝福しようと同クラブに食事を持っていくと、鳥の糞(ふん)だらけの屋外の椅子に座って食べるようクラブ側から指示された。

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