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【主張】アフリカ豚コレラ 厳格な防疫で侵入許すな

 12日に閉幕した20カ国・地域(G20)農相会議は、アフリカ豚コレラ(ASF)の蔓延(まんえん)防止に向けて各国が協力することを盛り込んだ閣僚宣言を採択した。

 全土で感染拡大している中国との日中農相会談でも、中国側は防止策への協力を確約した。

 ASFはベトナムやカンボジアなど周辺国にも感染が拡大している。侵入を許せばパンデミック(爆発的な感染拡大)が起き、養豚農家が壊滅的な打撃を受けかねない。各国との情報交換はもちろん、関係省庁による情報共有をいっそう進め、空港や港での水際対策の徹底が求められる。

 わが国では、ASFの高い感染力を持つ生きたウイルスが先月初めて見つかった。1月中旬に中国から愛知県の中部国際空港に持ち込まれた豚肉製品だ。

 昨秋以降、感染拡大が続いている岐阜や愛知県で続発している豚コレラと同様、致死率は高い。豚コレラと違ってワクチンがないのが大きな懸念材料だ。

 実際に感染力のあるウイルスがわが国の水際まで到達していたことの衝撃は大きい。政府は先月の大型連休前から防疫策の厳格な運用を始めた。家畜伝染病予防法に反する持ち込みをした者に警告書を出し、法と罰則を明記した誓約書に署名を求めている。

 同時に、違反事例をデータベース化し、関係省庁間での情報共有を始めた。再犯や転売目的など悪質性が高い場合は、警察に通報するか告発する方針だ。

 懸念すべきは、水際での手薄な防疫態勢だ。現在、成田空港など中国からの乗客の多い空港7カ所に検疫探知犬33頭を配置し、最近11頭を増強したが、十分な態勢とはいえない。

 海外から日本に手荷物で持ち込まれた違法な畜産物は昨年約9万4千件にも上る。このうち中国からの持ち込みは約4万2千件と全体の約45%に上った。

 参考にしたいのが水際対策に力を入れている台湾のケースだ。最高300万円相当の罰金を科し悪質な者の入国を拒否している。わが国の場合、100万円以下の罰金か3年以下の懲役だが、多くは口頭注意で放免してきた。

 豚コレラ続発で防疫に追われている上、ASF発生はいつ起きてもおかしくない。政府はまず、法を厳格に運用することで水際対策のさらなる強化が求められる。

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