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【耳目の門】(8)石井聡 続・平成と民主主義 無投票で地方自治を担えるか

 これに比べ、首長や議員の選出に関する憲法93条は明快だ。住民が「直接、選挙する」とはっきり書いてある。にもかかわらず「選挙」の洗礼を受けていない人がなぜ当選できるのか。

 議会選挙の候補者総数が定数を超えないとき、首長選で候補者が1人の場合には「投票は、行わない」。国会議員の場合と並べて、公職選挙法の100条で定めているからだ。

 結果が決まっているのに無駄な選挙を行う必要はない。そんな思想が見てとれる。だから、政見放送や選挙公報配布の中止については明文化されている。

 無投票という異常事態が常態化しているのを放置するなら、それこそ「地方自治の本旨」とやらに違背するのではないか。

◆若手が出やすく

 (1)首長選は立候補者が複数になるまで告示期間を延長する

 (2)議会選の無投票は認めない。定数と候補者が同数なら、自動的に定数を減らして選挙にする

 (3)無投票当選が続く自治体への補助金は削減する

 こうした改革案をすぐに思いつく。過激すぎると批判もあろうが、(1)と(2)などは大方の有権者にとって重大な支障があるだろうか。

 仮に混乱が生じたとしよう。選挙を経ていない代表の手で地方政治が行われる不健全さと比べ、どちらに価値を置くか、である。

 無投票当選が増えることへの対応策として、「議員の地位を高める」「報酬を上げる」というのをよく聞くが、ピンとこない。名誉職だと思って議員になるようなノンビリした人物に、多くの課題を抱える地方自治を担うのは重荷となろう。

 国会議員ならともかく、地方議員を本業にして四六時中、かかりきりというのも効率的とは思えない。仕事を減らし、より多くの人が手を挙げやすい仕組みをもっと考えてはどうか。議会は週1回、夜間に開催すれば普段は十分だろう。

 なり手不足は、有権者のボリュームが高齢者に傾く中で深刻化している。若い世代や女性の参加を促すのは道理である。

 「政治分野における男女共同参画推進法」が昨年施行されてから、初の大型選挙だった。男女の候補者数を均等にするのが主眼なのに、理念法だから守らなくても罰則はない。だが、時代は令和に移った。できもしない、やる気のないことを法律にしてすましているのは、ペテン行為だ。

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