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【主張】対中関税の表明 米国の本気度を見誤るな

 トランプ米大統領が中国に対する追加関税を10日から引き上げる方針を表明した。中国の不当な貿易慣行を改めさせるための強硬策である。

 これに中国が態度を硬化させて制裁の応酬となれば、世界の貿易や経済に悪影響を与える恐れはあろう。関税を武器とする手法を対日交渉でも使いかねない危うさもはらむ。

 しかし、自由で公正な国際ルールに反し、不当に自国企業を優遇してきたのは中国の側である。海外企業の知的財産や情報を窃取したり、技術移転を強要したりする貿易慣行は、米国から「略奪的経済行為」と批判されてきた。米国が迫っているのは中国の国家主義的な経済モデルの転換である。

 9、10日には閣僚級の米中協議が行われる。米国の措置を回避したいならば、中国は納得できる対応策を示さなければならない。それこそが、日本を含む世界経済に真の利益をもたらすとわれわれも認識しておきたい。

 習近平国家主席は昨年末のトランプ氏との会談で、知的財産権保護や国有企業優遇是正といった構造改革を約束したが、3月1日の期限を延長しても、米側を納得させることはできていない。

 このためトランプ氏はツイッターで、中国からの輸入品2千億ドル分に上乗せした10%の関税を25%とする考えを突きつけた。

 米国への大幅な譲歩が、習氏自らの権力基盤を揺るがす恐れもあるのだろう。だが、米国産の農産物やエネルギーの輸入拡大で米側の納得を得られると踏んでいたなら、中国はトランプ政権の本気度を見誤っていたことになる。

 米国ではトランプ氏の支持層に加え、野党・民主党のシューマー上院院内総務が「中国に屈するな」とツイートするなど、議会もほぼ一枚岩で対中強硬策の有効性を支持している。習氏はその点を過小評価してはならない。

 もちろん、「新冷戦」とも言われる米中の対立は両国間の貿易にとどまるものではない。米国が対峙(たいじ)しようとしているのは、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」や第5世代(5G)の通信技術を通じたアジアや欧州への影響力行使や、南シナ海の軍事拠点化といった中国の覇権追求である。

 肝心なのは、中国が実効性のある改革を具体化することだ。中国が時間稼ぎをしても得られるものはないことを知るべきだ。

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