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【iRONNA発】上皇さま 全身全霊、象徴天皇の極致 羽毛田信吾氏

 上皇さまがどのような思いと覚悟で務めを果たしてこられたかは、平成28年8月8日のビデオメッセージに凝縮されているように思う。

 「日本国憲法下で象徴と位置づけられた天皇の望ましい在り方を、日々模索しつつ過ごしてきました」

 その模索の中から、象徴天皇の道を、国民の幸せや平和を祈ると同時に、積極的に人々の傍らに身を置き喜び苦しみに心を寄せることにあると思い定め、全身全霊を傾けてその実践に努めてこられたのである。

 ◆平和への願い

 私が宮内庁在勤中、最も印象深かったことを2つあげるとすれば、1つは平成23年の東日本大震災、いま1つはサイパンへの慰霊の旅である。いずれについても私は、平成における象徴天皇の道の極致のように思った。

 平成23年3月11日の未曽有の大災害に際して、上皇ご夫妻は7週間連続して自衛隊機とヘリコプターを乗り継いでのお見舞い行脚を続けられた。避難所で、膝をついて一人一人丁寧に見舞われる姿、がれきの山と化した街並みに黙祷(もくとう)される姿、ヘリコプターから眼下に広がる無残な津波の傷痕を悲痛な面持ちで見入られる姿、実に気の重い随行であった。同時に、人々の身の上を案じられる上皇ご夫妻と、立ち直ろうという気持ちでそれに応える被災者との心の交流を間近に見る感銘深い随行でもあった。

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