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【令和のはじめに】新時代にふさわしい国家戦略を 論説委員長・乾正人

 それもこれも危機が到来するのが分かっていながら、目先の利益や生活に追われ、携帯やスマホをいじって「ボーッと生きてきた」ツケがまわってきたのである。ことに国のかじ取り役である政治家の劣化は、はなはだしい。

 政財界を直撃したリクルート事件の反省から「政治改革」が唱えられ、衆院に小選挙区・比例代表並立制が導入された。政治資金規正法も改正され、「政治とカネ」もかなりクリーンになった。

 だが、しかし…。

 安倍長期政権によって、毎年、首相がネコの目のように代わっていたころよりは、格段に政治は安定してきたが、立法府であるはずの国会の中身のなさには目を覆いたくなる。野党は小さなスキャンダルを追及するのに汲々(きゅうきゅう)とし、与党は与党で、忖度(そんたく)か追従まがいの質問しかしない。

 少子高齢化ばかりでなく、財政や安全保障、AI(人工知能)がもたらす社会変革といった国の根幹に関わるつっこんだ論議を国会の場で最近、ほとんど聞いたことがない。いわんや国家戦略なぞとりあげられもしない。

 「平成の敗北」から学ぶべき第一は、国家戦略の欠如である。

 トランプ米大統領が「米国第一」という国家戦略を発表したとき、識者と称する人々は鼻で笑っていたが、トランプ政権下の政策は「米国第一」主義で貫かれ、それなりの成果を出している。

国会で大議論始めよう

 中華帝国主義を隠そうともしない「一帯一路」政策も、習近平国家主席が打ち出した「中国の夢」と称する戦略に忠実な政策である。

 平成だけでなく、昭和を含め戦後日本に国家戦略と呼べるようなものは、なかった、といっても過言ではない。あったとすれば、敗戦による連合国軍総司令部(GHQ)の占領下で窮余の策として編み出された吉田茂政権下での、いわゆる「吉田ドクトリン」のみである。

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