PR

ニュース コラム

【論壇時評】5月号 「国体の護持」へ努力が問われる 論説委員・宇都宮尚志

 5月1日の御代替わりにあたり、月刊各誌は「天皇と日本人の未来」(『Voice』)「新しい象徴の時代へ」(『中央公論』)「改元&ご成婚60周年総力特集『素顔の両陛下』」(文芸春秋)などの特集を組んだ。共通したテーマは今上陛下が追究してこられた象徴天皇のありかたと、令和の時代の天皇像である。

 2月24日、今上陛下は御在位30年記念式典で、こうお言葉を述べられた。「天皇として即位して以来今日まで、日々国の安寧と人々の幸せを祈り、象徴としていかにあるべきかを考えつつ過ごしてきました。しかし憲法で定められた象徴としての天皇像を模索する道は果てしなく遠く、これから先、私を継いでいく人たちが、次の時代、更に次の時代と象徴のあるべき姿を求め、先立つこの時代の象徴像を補い続けていってくれることを願っています」

 その象徴としての行為が、先の大戦で犠牲となった人々の慰霊や被災地のお見舞いなど「遠隔の地や島々への旅」だった。

 片山杜秀慶応大学教授は『Voice』でまさに「今上陛下は、天皇と民主主義を両立させるには『人間天皇』として国民と共に歩むことに専心するのみであるという強い思想をもたれている」と述べ、「『一個の人間として国民との信頼を築く』象徴天皇の在り方を極限まで追求された姿」ではないかと指摘する。

 今上陛下は昭和8年に生まれ、敗戦を経験し、連合国軍総司令部(GHQ)によって「象徴」と規定された日本国憲法のもとで皇位を継承された。

 その陛下の「思想的起源は主に昭和天皇にある」とするのは筒井清忠帝京大学文学部長だ。

 筒井によると「昭和天皇は若き日にイギリスのジョージ五世の影響を強く受けており、そのジョージ五世はウォルター・バジョットの『イギリス憲政論』の思想的影響下にあった。バジョット→ジョージ五世→昭和天皇→今上天皇という系譜が存在する」(『中央公論』)という。

 イギリス憲政論は、君主は政治に関与せず中立であることによって国民統合の象徴となり得るとするものだが、「警告する権利」の行使も必要だとしている。それを体現したのがジョージ5世であり、昭和天皇は皇太子時代の1921年に訪欧した際に、お会いになった。

続きを読む

関連トピックス

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ