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【主張】露疑惑報告書 選挙干渉を二度と許すな

 ロシアによる米大統領選挙干渉問題でモラー特別検察官の捜査報告書が公開された。

 司法省が議会に提出した報告書は約450ページにわたり、最大の焦点であるトランプ氏の司法妨害疑惑について、具体的な事例を列挙した。

 司法省がモラー特別検察官を任命した直後、トランプ氏が「私は大統領として終わりだ」と漏らし、モラー氏解任を図ったことなどである。

 報告書は「大統領が罪を犯したとは結論づけないが、免責するものではない」と白黒を決めなかったが、米メディアや野党・民主党による追及は続くであろう。

 ただ、報告書がトランプ陣営とロシア側との共謀は否定しつつ、ロシアの選挙干渉を改めて明示した意味は決して少なくない。

 プーチン大統領に近い実業家が出資する企業を通じ、偽情報発信などの選挙妨害を行ったという。トランプ氏を勝利させて恩恵を受けるため陣営に接触を図るなど、ロシアのもくろみを白日にさらした点は今こそ、注視に値する。

 来年11月の米大統領選に加え、5月の欧州議会選、来年1月の台湾総統選など、自由と民主主義を共有する国や地域で重要選挙が相次ぐ。ロシアや中国の「現状変更勢力」が、最新のサイバー技術を駆使して介入の機会をうかがっているのは、明白である。

 英国が欧州連合(EU)離脱を選択した3年前の国民投票で、ロシアがソーシャルメディアを通じて介入したことは記憶に新しい。ポピュリズム(大衆迎合主義)政党が台頭した欧州諸国の選挙でも暗躍したという。

 サイバー攻撃や偽情報の発信といった「ハイブリッド脅威」に対し、EUや北大西洋条約機構(NATO)の加盟国は、フィンランドのヘルシンキに研究拠点を置き対策に乗り出した。ロシアという仮想敵への危機感は地続きだけに米国より高いといえよう。

 気になるのは、選挙の季節に突入した米国が露疑惑に区切りをつけるどころか、トランプ政権と民主党との非難の応酬にのめり込みはしないか、ということだ。

 すでに揺らいだ世界秩序にとどめを刺すべく、中露は深まる超大国の分断を見逃さないだろう。

 日本も、欧米と民主主義への脅威を共有する。露疑惑の捜査完結を契機に、選挙干渉への共同防衛に広く連携してもらいたい。

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