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【直球&曲球】野口健 悪化する日韓関係 政府は「思考停止外交」だ

 SNSで「反日的な言動を繰り返す韓国に対し制裁が必要」と呟(つぶや)いたら賛否両論、たくさんのコメントが寄せられた。目立ったのが「韓国とは断交せよ」と言った言葉の数々。感じたのは日本人の中にある韓国政府に対するフラストレーションの高まりだ。

 レーダー照射、慰安婦、“徴用工”、戦犯ステッカー、天皇陛下への韓国議長の発言の問題などが反韓感情を拡大させている。特にレーダー照射問題は軍事行動であり、即軍事衝突に発展しかねない極めて危険な行為だ。

 日韓関係が悪化するなか韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は修復に向けて動こうとしない。日韓関係を放棄してしまったかのような印象だ。韓国に対して友好国と感じていた多くの日本人も首を傾け始めたのではないか。もはや「38度線」は対馬海峡にひかれているのではないかとさえ感じてしまう。

 事が起きる度に日本の政治家は「遺憾だ」を繰り返す。相手を挑発させないためかもしれないが、「遺憾」という言葉にどれ程の意味があるのか。韓国国内で支持率が低下する度に、時の権力者が反日的な言動を繰り返してきた。日本の政治家たちは、その度に困惑させられ、対応の仕方が分からず「遺憾」という言葉で安易に済ませてきた。よく「弱腰外交」と言われているが、むしろ「思考停止外交」なのではないか。

 韓国と「断交せよ」「断交すべきではない」という、ゼロか百かの問題ではない。しかし、「遺憾だ」という言葉でお茶を濁し続け、日本にだけ忍耐を求める状況は健全な関係とはいえず、何一つ問題解決につながっていないどころか、溝を深めている。

 日韓関係の改善を本気で目指すならば、覚悟と矜持(きょうじ)を持って韓国と向き合うことが必要ではないか。反日政策は韓国にとって国益にならないことを明確に示すべきだ。そのためには経済制裁の発動等(とう)も視野に入ってくるだろう。

 その結果、日韓双方が現実の痛み、不利益を味わうことは想像に難くない。両国がその痛みを共有した上で新たな関係を構築すべく再出発した方がいいのではないかと僕は感じている。

【プロフィル】野口健(のぐち・けん) アルピニスト。1973年、米ボストン生まれ。亜細亜大卒。25歳で7大陸最高峰最年少登頂の世界記録を達成(当時)。エベレスト・富士山の清掃登山、地球温暖化問題、戦没者遺骨収集など、幅広いジャンルで活躍。新刊は『震災が起きた後で死なないために』(PHP新書)。

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