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ニュース コラム

【耳目の門】(7)石井聡 平成と民主主義 自由な議論の壁まだ厚く

 新しい元号「令和」のもとで、日本はどんな道を歩んでいくのだろう。世界と共存しつつ、国の安泰と国民の幸せを守っていける道としてである。

 針路の如何(いかん)は日本の民主主義の動向にかかるところが大きい。指導者のリーダーシップとともに、政権構造を支え、あるいは対峙(たいじ)する国会のありよう、さらに議会制を通じて選択する有権者の意識が問われる。

 もっとも、民主主義については近年、内外を問わず停滞や危機が指摘されている。三十余年に及ぶ平成の時代に、日本の民主主義はどれだけ成熟を遂げたか。新時代を見通すうえでも再考しておくべきだろう。

 平成の初期、自衛隊の海外実任務として初めて、海上自衛隊の掃海部隊がペルシャ湾に派遣された。それも、新法ではなく自衛隊法に基づく活動とし、日本の船舶の安全を確保することを主目的にした。それから20年余を経て、集団的自衛権の行使容認が閣議決定された。

 いずれの決定にあたっても「戦争への道」などという批判が起きた。熟議の結果というよりは、国際社会に対する貢献の必要性、日本を取り巻く安全保障環境の変化により、エポックメーキングが後押しされた側面が大きい。

 憲法改正を含め、国のかたちを率直に語り合う民主主義の成熟度は、いまだ高まってはいない。

 ◆天文学会の気風

 日本天文学会が「平和を脅かす研究はしない」との声明を出したというニュースが3月に流れた。

 日本学術会議が2年前、軍事目的の研究はしないことを掲げる過去の方針を再確認した。防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」による研究費を、受け入れるべきか否かに関する判断だった。

 学術会議は、科学者の各コミュニティーでも検討するよう促した。だから、天文学会も一見するところ、同様の姿勢を打ち出したのだと思った。ところが、声明案をよく読むと趣は異なっていた。

 「背景説明」という文書によると、まず会員へのアンケートによって、賛否を含めた「幅広い意見分布」が存在することを指摘している。また、声明は「現時点での会員の意見の集約」だと留保をつけている。

 その集約とは、前段で「人類の安全や平和を脅かすことにつながる研究や活動は行わない」とする一方で、科学に携わる者としての「社会的責任」に基づき、「人類の安全や平和に貢献する」ことを後段でうたっている。

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