PR

ニュース コラム

【日曜に書く】昭和の夢、平成の果実 論説委員・別府育郎

 ◆Jヴィレッジ

 ホテル棟のデッキから、眼下に広がる緑の景色の心地よさ。広大な敷地に配された天然芝のピッチ8面、人工芝のピッチ2面、屋根付き全天候型サッカー練習場。丘の向こうには、スタジアムも見える。

 福島県楢葉(ならは)町、広野町にまたがるスポーツ施設「Jヴィレッジ」は20日、全面的に営業を再開する。同日には、JR常磐線に新駅「Jヴィレッジ駅」も開業する。平成23年3月11日の東日本大震災以降、東京電力福島第1原発事故対応の前線基地として長くピッチ上には関係車両や簡易宿舎があふれていた。

 その役目を終え、ピッチ上に敷き詰められた砂利などを掘り起こし、新たに冬芝と夏芝をオーバーシードし、一年中絶やさぬ緑のピッチを作り上げた。来年の東京五輪では、ここが聖火リレーの出発地となる。

 取材当日は19歳以下の女子日本代表や小中学生、高校のサッカー部が練習しており、年齢も性別も違う、さまざまな声が風に舞っていた。Jヴィレッジの副社長、上田栄治は「ここをサッカーの聖地であるとともに、老若男女の集う場所として発展させていきたい」と話した。

 そのモデルは、60年前のドイツにあった。

 ◆スポーツシューレ

 昭和35年夏、東京五輪を控えて日本代表は西独に遠征した。ここで、サッカー界の未来を変える2つの出合いがあった。人と芝である。

 一行をデュッセルドルフの空港で迎えたのは、後に「日本サッカーの父」と呼ばれるデッドマール・クラマーだった。そのままバスでデュイスブルクのスポーツシューレに到着したが、夜の闇で何も見えない。

続きを読む

関連トピックス

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ