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【石平のChina Watch】「踏み絵」と「買収」の台湾工作

 こうした「踏み絵工作」と並んで「買収」も今後、中国当局の「台湾工作」の重要な柱の一つとなろう。

 ちょうど娜娜さんの中央テレビ出演と同じ時期に、台湾高雄市の市長が香港・深セン・アモイなどの中国都市を歴訪した。中国政府と各地方政府の高官たちは総出で「熱烈歓迎」したと同時に、中国側が高雄から農産品や水産品などを大量に買うという総額53億台湾ドル(約190億円)の商談を成立させた。代わりに市長は訪問中、中国政府の意向に沿った形で中台は不可分の領土だとする「1つの中国」原則に基づく「1992年合意」の堅持と、「台湾独立」への反対を強調したという。

 「爆買工作」は実に巧妙である。「台湾独立反対」の台湾の地方首長を優遇して地方に実利を与えることで、台湾の政治家だけでなく一般市民まで利益誘導によって「独立反対・統一賛成」へと導くことができるからである。

 中国の習近平政権は今後このようにして、「踏み絵」や「買収」を含めたあらゆる手段を用いての「台湾工作」を加速化させ、「祖国統一=台湾併合」を目指していくこととなろう。

 それは日本にとっても決して、人ごとではない。台湾が中国に併合されるようなことにでもなれば、日本の地政学的な立場はかなり不利なものとなるからである。

                   

【プロフィル】石平

 せき・へい 1962年、中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。

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