PR

ニュース コラム

【主張】改正入管法施行 抜本的見直しを躊躇うな

 外国人労働者の受け入れ拡大を図る改正出入国管理法(入管法)が1日施行された。法務省入管局から格上げされた入管庁も発足した。多くの課題や制度上のあいまいさを残した中での新制度のスタートである。

 少子高齢化に伴う深刻な人手不足を少しでも解消するのが狙いで、これまで認めてこなかった単純労働者の在留資格を新設し、実質的な永住に道を開く内容だ。政府の説明とは裏腹に事実上の「移民」解禁といえ、不安は大きい。

 日本は今後、勤労世代人口の激減時代に入っていく。受け入れ業種は14にとどまらず、いずれなし崩し的に拡大していくだろう。安い労働力の受け入れを続ければ産業構造の変革を遅らせる。

 新しい在留資格である特定技能1号、2号を創設した改正法は昨年12月に成立した。対象業種は外食業など14種で、5年間で最大34万5150人を受け入れる。

 問題は山ほどある。例えば、外国人労働者には技能試験とともに日常会話程度の日本語試験が課された。だが、日本語教師には統一した資格がなく、教師による教育内容の差が指摘されている。

 都市部への集中を回避できるのか。高収入を求めて来日する外国人が、仕事が少なく都会に比べ賃金が安い地方を選ぶとは思えないが、有効策は示されていない。

 その賃金も新制度は外国人の賃金を「日本人と同等以上」と規定した。だが、それをどう担保するかは企業の裁量に任され、現場には戸惑いが広がっている。

 社会保障面でも不安は残る。政府は2月、健康保険法を含む改正医療保険制度関連法案を国会に提出した。外国人による医療保険制度の不正利用を防ぐためだ。

 健康保険を使える扶養親族の認定について原則国内に居住していることを要件としたが、施行は1年後だ。不正な駆け込み利用をどう防ぐのかが不透明なままだ。

 既存制度である技能実習生に対しては違法残業などの人権侵害も明らかになった。外国人が安心して働き暮らせる環境を整えることが、迎え入れる側の安心にもつながる。焼け太りと言われぬよう、入管庁の手腕も問われる。

 場当たり的な対応は、労働現場の混乱を招き、生産性向上にブレーキをかける。日本を衰退させないためにも抜本的な見直しを躊躇(ためら)ってはならない。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ