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【主張】総合取引所誕生へ 世界と競える市場を築け

 日本取引所グループ(JPX)と東京商品取引所が10月の経営統合で基本合意し、さまざまな金融商品を一元的に扱う総合取引所が来年にも誕生することになった。

 東商取が扱う貴金属や農産物、ゴムなどの商品先物を、JPX傘下で金融証券先物を扱う大阪取引所に移し、ワンストップで取引できるようにする。

 投資家の利便性を高めることで世界の投資マネーを呼び込み、先物などの金融派生商品(デリバティブ)取引を活性化するのが狙いである。そのための効果的な再編としなければならない。

 世界の主要取引所では総合取引所が主流であり、日本は立ち遅れていた。これを機に日本の金融市場の競争力を高め、日本経済全体の成長へとつなげたい。

 JPXが東商取にTOB(株式公開買い付け)を実施し、完全子会社化する。これにより、JPXの傘下には、現物株式を扱う東京証券取引所と大阪取引所、東商取の3つが並ぶことになる。

 大阪取引所と東商取が別々にデリバティブを扱う弊害はかねて指摘されてきた。金融証券先物と商品先物の違いだけでなく、仲介業者の資格といった法制も異なり、使い勝手が悪かったからだ。

 だが、デリバティブは世界の取引所を牽引(けんいん)する成長分野だ。総合取引所にすることで市場参加者が増えれば取引高も厚みを増す。先物には、商品の生産者や需要者が価格変動による損失を抑えるリスクヘッジの役割もある。取引活性化はこれにも資するだろう。

 ここで留意すべきは、メリットが分かっていながら対応が遅すぎたことだ。総合取引所構想は平成19年からあり、成長戦略でも可及的速やかな実現がうたわれた。

 それがここまで遅れたのは、JPXを所管する金融庁と、東商取所管の経済産業省・農林水産省の間で縄張り争いがあったためとされる。調整がもたつく間に東商取の経営は悪化し、日本の商品市場は世界から取り残された。厳しく認識しておくべきである。

 基本合意によると、原油については当面、大阪取引所に移さず東商取に残す。東商取は、原油のほかに電力先物なども上場させて総合エネルギー市場の創設を目指すというが、それが経産省の権益確保の場となるようでは元も子もない。あくまでも投資家の目線で使い勝手を吟味してほしい。

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