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【主張】虐待緊急調査 幼い命守る手を緩めるな

 家庭での虐待に苦しむ子供を救うには、親から引き離すしかない。命の危険にさらされている子供の多さを改めて知り、がくぜんとする。

 幼い命を守る手を緩めてはならない。

 厚生労働省と文部科学省の合同プロジェクトチームが実施した児童虐待の緊急安全確認の結果が公表された。

 児童相談所が在宅で指導している全ての虐待事案のうち、35人の所在を確認できず、144人を一時保護し、26人を児童養護施設などに入所させた。

 全国の小中学校で2月1日以降、2週間欠席が続いている子供について、理由が判然としないなどの理由で学校側が児相などと情報共有したケースは1万2545件に上った。健診の未受診や未就園の子供に対する安全確認では、3月時点で423人の安全が確認されていない。

 いずれも、深刻な虐待を受けている可能性がある事案だ。

 緊急安全確認は、千葉県野田市立小学校4年の女児が両親の虐待を受けて死亡した事件を受け、全国で2月以降、短期間で行われた。一人でも多くの子供を虐待から救うためである。

 調査には一定の成果が認められる。今後も徹底した追跡調査で、救える命を増やしてほしい。

 一方でこれらの数字は、児相や学校の現場がそれぞれの職責を果たせず、連携不足などから多くの危機を見逃してきたことを物語っている。短期間の調査であぶり出されたケースの多くは、通常の業務で把握できたはずだ。

 野田市の事件でも、児相や教育委員会、学校などの多くの大人に虐待を止める機会があった。野田市と市教委は、父親からの暴力を訴える女児のアンケートの回答コピーを父親に渡した担当者ら12人を懲戒処分とした。

 すでに女児は命を失っており、後悔は先に立たない。それでも反省は生かさなくてはならない。

 東京都は4月1日、保護者の体罰禁止を明記した虐待防止条例を施行する。政府も同様の趣旨を明記した児童虐待防止法改正案を国会に提出し、来年4月1日の施行を目指している。

 だが、条例や法で禁じただけで虐待はなくならない。現行法でも子供への暴力は罪である。緊急調査にかけた熱量を持ち続けることが全ての関係者に求められる。

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