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【北京春秋】堂々たる言行不一致

中国全人代の分科会で記者の質問に答える呉英傑・チベット自治区共産党委員会書記(中央)=6日、北京の人民大会堂(共同)
中国全人代の分科会で記者の質問に答える呉英傑・チベット自治区共産党委員会書記(中央)=6日、北京の人民大会堂(共同)

 3月に北京で開かれた全国人民代表大会(全人代)のチベット自治区分科会。外国人記者が「なぜチベット族はダライ・ラマ(14世)を熱愛するのか」と質問すると、自治区トップの呉英傑党委書記は、待ってましたとばかりに「庶民代表」のチベット族に回答を促した。

 「私の知る限りチベット族の庶民でダライ・ラマを熱愛している人はいない」

 「ダライ・ラマは多くの厄介事を引き起こした」

 代表らがチベット仏教最高指導者への尊敬を否定するのを聞いて、呉氏は満足げに声を上げて笑い、チベット族の中国共産党に対する「感謝」を言い募った。

 「われわれはチベットを海外メディアに開放している」との呉氏の発言も、外国メディアの記者を唖然(あぜん)とさせた。中国で地方の当局者らが取材を妨害したり、記者を尾行・監視したりするのは日常茶飯事だが、チベット自治区は当局の「許可」がない限り立ち入ることすらできないのだ。

 全人代の新疆ウイグル自治区分科会でも、幹部が「記者各位が新疆を訪問して取材することを歓迎する」と語り、記者からため息まじりの失笑が漏れた。

 先進国を中心に中国への警戒感や不信が高まっている原因の一つとして、当局の臆面もない「言行不一致」があることに早く気付くべきだ。(西見由章)

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