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【大阪特派員】都構想総決算 大阪春の陣 山上直子

 「江戸はロンドン、京都はローマ、大阪はパリだ」

 といったら苦笑いされるだろうか。別に、大阪特派員がひいき目でいっているわけではない。幕末に来日した英国外交官、ローレンス・オリファントの言葉だそうだ。手元に届いた刊行されたばかりの『上方生活文化堂~大阪の今と昔と、これからと』(大阪ガスエネルギー・文化研究所、大阪くらしの今昔館の共著)から引いた。

 同研究所の池永寛明所長によると、江戸は政治都市、天皇がおられる京都は古都、それに対して大阪は町人の町であり、劇場や美食が楽しめる日本人の遊び場だった-という。「天下の台所」としてにぎわった当時の大阪を想像すれば、あながち的外れとはいえないかもしれない。

 その大阪市は明治以降人口が増大。市域の拡張などで大正末~昭和初期には東京をしのいで、昭和5年には245万人と当時最大人口を抱えた時期もあった。現在も270万人を超える大都市である。

 〈賛成49・62%、反対50・38%〉

 平成27年の5月、当時の橋下徹大阪市長が掲げた大阪都構想が、住民投票で否決されたときの数字だ。有権者約210万人、投票率は66・83%。このとき、大阪は異様な熱気に包まれていた。

 あれから4年。大阪府知事と大阪市長を入れ替えてのダブル選という奇妙な選挙戦が始まっている。争点はやはり、大阪都構想だ。

 大阪嫌いの人は「大阪らしいといえば大阪らしい選挙だね」と皮肉るが、返す大阪人のセリフは決まっている。「ほっといてんか」

 大阪には依然として根強い維新という勢力があるわけで、ダブル選自体に目を向けてみると、平成に入っては3回目になる。

 23年に府知事だった橋下徹氏が市長選に打って出て勝利。27年には住民投票で敗れた橋下氏が引退を表明して再びダブル選に。その都度、役者は違えど、維新勢力が府と市のトップを独占してきた。

 ただし今回が今までと違うのは、ほぼ半世紀ぶりにダブル選を府議・市議選にぶつけてきたことだ。首長選と議会選の両方で民意を問い、今回も有権者に問われているのは「維新か、それ以外か」という選択肢だ。それは府と市という大都市特有の問題を指摘し、“二重行政の解消”を原点に大阪都構想への賛否を問うものでもある。

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