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【主張】仮想通貨規制 不正の跋扈を阻む一歩に

 交換業者からの巨額流出事件が相次いだ仮想通貨に対し規制が強化される。政府が資金決済法や金融商品取引法の改正案を閣議決定した。利用者保護やルールの明確化を図る制度整備である。

 仮想通貨は、デジタル空間における「通貨」のような役割が期待されてきた。だが、実態は、激しく値動きする投機対象にすぎないことが明白になっている。

 これを野放しにはできない。規制強化は当然の流れであり、むしろ遅すぎたほどだ。速やかに改正案成立を図り、国による指導監督を徹底しなければならない。

 この問題が深刻なのは、取引リスクの高さに加え、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金などの不正に流用されるためだ。

 国連安全保障理事会の専門家パネルは最新の報告書で、北朝鮮が昨秋までの1年9カ月間、5回のサイバー攻撃で仮想通貨交換業者から5億7100万ドル(約630億円)相当の外貨を奪ったと指摘した。昨年1月の交換業者コインチェックの事件も含まれる。

 不正の跋扈(ばっこ)を阻むには、監視の網の目を張り巡らす国際連携も欠かせない。これを日本が主導することは、今回の規制強化と併せて銘記すべき重要な役割である。

 改正案は「仮想通貨」という呼称を、20カ国・地域(G20)などで使われる「暗号資産」に変更すると規定した。投機目的で売買される実態から、法定通貨との違いを明確にするのは理にかなう。

 新規制は、安全性の高い方法で顧客資産を保管する原則を業者に義務づけるとともに、不正アクセスによる流出に備え弁済原資の確保を求めたことなどが柱だ。

 仮想通貨のずさんな管理が一連の流出を招いた教訓がある。厳格な保管を求めたのは当然だ。

 このほか、元手の何倍もの売買が可能な証拠金取引について登録制を設けて規制する。風説の流布や不当な価格操作も禁じた。いずれも金融商品として当たり前の規制であり、徹底を図りたい。

 金融庁はコインチェックの事件後、業者への立ち入り検査を相次いで実施した。それでも昨秋には別の流出事件も起きた。ようやく改正案ができたとはいえ、成立、施行されるのはさらに先だ。その間に新たな不正が起きないか。監視を強めるべきはもちろん、不正を阻む規制のあり方を不断に検討し続けることが大切である。

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