PR

ニュース コラム

【主張】北朝鮮の制裁逃れ 不法拡大に厳しい対応を

 国連安全保障理事会で北朝鮮制裁決議の履行状況を監視する専門家パネルの年次報告書が、「瀬取り」の拡大など北朝鮮の制裁逃れが続く実態を明らかにした。

 非核化をめぐる米朝交渉が進められ、金正恩朝鮮労働党委員長とトランプ米大統領との良好な関係が強調されてきた一方で、北朝鮮の不法行為がやまなかったのである。

 洋上で積み荷を移し替え、石油精製品などを密輸入する瀬取りは大規模、巧妙になった。中国に漁業権を売却する事例もあった。

 北朝鮮に核・ミサイルを放棄させるための安保理制裁である。国際社会から指弾される北朝鮮の制裁逃れに手を貸すことは到底許されない。

 報告書で目を引いたのは、昨年10月のポンペオ米国務長官の訪朝の際、金委員長が乗っていた「ロールスロイス」について「明確な決議違反」と断じた点だ。

 2006年の安保理決議は「ぜいたく品」の北朝鮮への輸出を禁じ、13年決議の付属書で「高級車」を例示している。

 韓国の文在寅大統領訪朝の際に登場した「レクサス」も決議違反であり、金委員長が北京やシンガポールで利用したナンバープレートのない「ベンツ」についても調査対象になっている。

 東シナ海で、日米などは瀬取りの取り締まりに目を光らせている。そんなとき、金委員長による首脳外交の場に、決議違反の高級車が現れるとは皮肉な話だ。

 核・ミサイル開発や生産の資金を断ち、関連部品の流入を止めるのが安保理制裁の主眼だ。ぜいたく品を対象としたのは、核・ミサイル開発に携わる政権幹部や科学者へのほうびにもなるからだ。

 金委員長の高級車の存在は、核・ミサイル関連物資も北朝鮮に入っていることを示唆している。

 2度の米朝首脳会談を経ても北朝鮮の非核化に前進はない。

 国連加盟の各国は、制裁履行に緩みがないか検証し、改めて圧力強化を図るべきだ。

 幾つかの国際機関が北朝鮮の食糧不足は深刻と指摘し、ハノイでの米朝首脳会談で北朝鮮は「国民生活に支障を来す制裁」の解除を求めた。だが、金委員長が核・ミサイルを手放せば、食糧を容易に得られるようになる。核・ミサイルの放棄実現まで各国は制裁を決して緩めてはならない。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ