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【ソウルからヨボセヨ】歴史教育のある断面

11日、韓国の光州地裁に入る全斗煥元大統領(中央)(共同)
11日、韓国の光州地裁に入る全斗煥元大統領(中央)(共同)

 全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領(在任1980~88年)の回顧録が名誉毀損(きそん)にあたるとして今週、その裁判が南西部の光州市で行われた。被告になった本人は88歳の高齢で認知症も出ていると伝えられていたが、ソウルから車で4時間かけて出廷した。

 裁判は80年5月に地域一帯で起きた「光州事件」に関係する。朴正煕(パク・チョンヒ)大統領暗殺事件後の政治的混乱期で、反政府・野党勢力の中心地だった光州での大規模デモの鎮圧に軍が出動。デモ側も武装して抵抗したため武力衝突となり双方で約200人の死者が出た。

 その後、民主化が進み、事件当時、軍の責任者だった全斗煥氏は武力鎮圧の責任を問われて逮捕され死刑判決を受けたが、後に赦免・釈放された。今回、回顧録でデモ鎮圧を弁明しデモ側を批判したため、改めて名誉毀損で起訴されたのだ。

 今さらの感じもするが、大昔の日本統治時代の出来事でさえ今なお政治的問題になるという、過去追及が大好きな(?)人たちだからさもありなんだ。

 ところで新聞報道によると裁判の日、裁判所の向かいにある小学校の児童たちが校舎の窓から外に向かって「全斗煥非難の歌」を歌っていたという。授業時間帯だったから先生がそうさせたに違いない。韓国における“歴史教育”の気になる断面である。(黒田勝弘)

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