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【主張】復興庁の後継組織 縦割り排し防災力高めよ

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 東日本大震災から8年が過ぎ、政府は2年後に廃止される復興庁の後継組織を置くことを決めた。同時に、10年と定めた復興期間の総仕上げに向けて、被災地の自立を促す復興モデルの構築を目指す。

 政府は復興庁の後継組織と内閣府の防災部門を統合し、「復興防災庁」とする案も検討している。事前の防災と災害時の初動対応、そして復興事業を一元的に管轄する組織は検討に値しよう。

 日本では今後も南海トラフ地震や首都直下地震の恐れがあるのに加え、台風などによる豪雨の被害も毎年起きている。そうした大規模災害に対する国の備えは喫緊の課題である。

 ただ、硬直的な行政機関の縦割りを排し、実効性のある組織としなければ意味はない。災害時における政府の司令塔として機能させることが何よりも肝要である。

 平成24年2月に発足した復興庁は、首相の直属機関として東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の復興政策を統括する。専任閣僚を配置し、復興政策の立案や関係省庁との調整、予算の要求・管理などを担当するが、復興庁設置法に基づき、震災10年に当たる2年後の3月に廃止予定だ。

 このため、政府は同庁の後継組織設置を明記した復興に関する新たな基本方針を閣議決定した。東北の被災地では、今でも5万人以上が厳しい避難生活を強いられている。復興は道半ばであり、後継組織を置くのは当然だ。

 政府がこの後継組織と防災部門の統合を検討するのは、防災と復興を一元的に統括し、より効率的な防災・復興機関として機能させるのが狙いだという。とくに復興庁は東日本大震災の復興を専門としており、今後の災害に備えて全国を対象に防災や復興を手掛ける組織を置くのは妥当だろう。

 内閣府の防災担当者は100人に満たず、防災行政を一元的に管轄する体制になっていない。各省庁からの出向者は数年で交代しており、災害対応のノウハウなどを蓄積することもできない。それは復興庁も同じだ。「復興防災庁」の設置を契機に防災行政の強化に努めるべきだ。

 ただ、その場合でも、東北の被災地に対する支援が後手に回るようでは本末転倒だ。被災者に寄り添う支援体制を構築することが後継組織の第一義である。

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