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【主張】大阪ダブル選 建設的な議論こそ必要だ

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 醜いけんかはこれ以上見たくない。有権者のための真に建設的な議論がなければ、意義を見いだせない選挙である。

 松井一郎・大阪府知事と吉村洋文・大阪市長が辞職を表明した。立場を入れ替え、統一地方選に合わせて立候補する。

 大阪都構想の行き詰まりが原因である。2人が幹部を務める大阪維新の会は、大阪市をなくして特別区にする都構想を訴えてきた。府、市とも議会で過半数がない維新は公明党の協力を見込んでいた。

 だが、意見は合わず対立は逆に深まった。構想の制度設計を行う法定協議会は、やじと怒号が飛び交う場と化した。この事態をまずは双方で恥じ入るべきだ。

 知事、市長の立場が同じままでは、当選しても公職選挙法の規定で年内に再び選挙となる。入れ替えダブル選としたのは世間の批判を避けるためだろう。

 しかし府民、市民が置き去りにされたことに変わりはない。法定協におけるののしり合いはあっても、都構想がなぜ必要かといった議論はほとんど聞こえてこなかった。これでは有権者の関心も高まりようがない。そんな状態で痴話げんかのような選挙に巻き込まれるのなら、いい迷惑である。

 維新側には、2025年大阪・関西万博の誘致決定を追い風にダブル選を統一地方選にぶつけ、議会での議席増を狙う思惑があるのかもしれない。そうだとすれば党利党略でしかない。あるいは、選挙をちらつかせて公明の妥協を引き出す狙いが維新にあったのかもしれないが、これでは住民軽視といわれても仕方あるまい。

 かつては、維新を率いた橋下徹・前大阪市長も、都構想が行き詰まると出直し選に打って出た。風頼みの政治姿勢では熟議は進まない。むしろ逆風になりかねないと厳しく認識すべきである。

 もちろん、都構想に消極的な側も批判を免れるものではない。法定協を実のない混乱の場とするばかりでは、とても議員の責務を果たしたとはいえないだろう。

 ともあれ、入れ替えダブル選は行われることになった。かくなる上は、都構想で何を目指すか、あるいは何に反対なのかを丁寧に語ることから始めるべきだ。

 万博誘致に成功したのだから府や市がやるべきことはたくさんある。その機運に水を差すことだけはないよう強く求めたい。

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