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【主張】景気後退の可能性 米中摩擦の影響見極めよ

 内閣府が景気動向指数に基づく1月の基調判断を下方修正し、景気が数カ月前に後退局面に入った可能性を示した。

 減速傾向を強める中国経済の影響で、生産などの指標が軒並み悪化しているためである。昨年来の景気変調が改めて裏付けられた形となった。

 すでに経済が下り坂に入っているのだとすれば、1月に達成したとされる「戦後最長の景気拡大」が、実際には実現しなかったことになる。これを経済政策の成果とする政権にとっては重大な潮目の変化といえよう。

 ただし、経済悪化がこの先、どれほど深刻化するかは予断を持つべきではない。政権のいう景気拡大を過信すべきでないのは当然としても、過剰な悲観論で企業や家計の不安心理がいたずらに増幅する事態に陥るのは避けたい。

 10月には消費税率10%への増税が予定される。これに適切に対応するためにも、景気の現状を冷静に見極めるべき局面である。

 前月までの「足踏み」から「下方への局面変化」に変わった。これが一時的な動きかどうかも含めて、政府が景気の転換点を正式に判断するのはまだ先である。

 消費税率を8%にした平成26年も、8~11月は「下方への局面変化」だったが、最終的に景気後退と認定されなかった。低成長が常態化し、景気の「山」「谷」を明確にするのが難しくなっている点にも留意が必要である。

 足元の経済はもちろん厳しさを増している。ただでさえ減速していた中国経済が対米摩擦の激化で一段と苦しくなるなど、主に海外要因で日本企業の輸出不振や生産抑制が顕在化している。

 安倍政権下の景気回復が、円安を追い風とする輸出企業の収益改善に牽引(けんいん)されてきたことを考えれば、看過できない動きである。

 ただ、海外リスクに不確実性があることを忘れてはならない。米中貿易摩擦は、首脳会談での決着に向けて交渉が進んでいる。習近平政権は大規模減税やインフラ投資などを総動員して景気へのてこ入れを図る考えだ。これらが日本にどう影響するかである。

 懸念するのは、景気の先行きを心配するあまり、企業の多くが必要以上に守りの経営に転じることだ。春闘での賃上げや設備投資に慎重になりすぎるようでは、景気停滞の悪循環に落ち込みかねないと銘記しておくべきである。

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