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【主張】「3・11」を前に 避難に徹する意識確認を

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 東日本大震災から8年になる。

 死者1万5897人、行方不明者2533人のほとんどが、大津波による犠牲者である。

 鎮魂の日である3月11日を前に、津波の恐ろしさ、命を守るための避難の大切さを、改めて心に刻みたい。

 政府の地震調査委員会は先月、大震災を起こしたマグニチュード(M)9の巨大地震の震源域を含む日本海溝沿いの地震について、新たな長期評価を公表した。大震災型の巨大地震が30年以内に発生する確率は「ほぼ0%」とされたが、M7~8級の大地震の発生確率は極めて高い。

 「地震、津波が起きるとしても大震災ほどではない」という意識を持つのは非常に危険だ。

 地震の規模が小さくても、局地的に大津波に襲われる可能性がある。1993(平成5)年の北海道南西沖地震では、M7・8の地震による大津波が奥尻島などを襲い、200人を超える犠牲者を出した。

 地震の規模や予想される津波の高さは、重要な防災情報ではあるが、発生直後には相当程度の不確かさ(誤差)を伴う。予測の精度や災害時の情報の混乱に左右されることなく、「命を守るための避難に最善を尽くす」という意識を強く持つことが大事だ。

 東日本大震災の最も重要な教訓であり、西日本豪雨のような津波以外の災害にも当てはまる。

 避難はしたけど、被害が出るほどの津波はこなかったというケースが多くなるだろう。

 これを「空振り」ととらえず、避難意識と行動を確認する機会として生かし、教訓をつないでいかなくてはならない。

 東日本大震災の1年前、南米チリ沖でM8・8の大地震が発生し、青森、岩手、宮城県に大津波警報、日本列島の太平洋岸全域に津波警報が出された。

 大震災の2日前には、三陸沖でM7・3の地震が起き、青森県から福島県の太平洋岸に津波注意報が出された。

 いずれも人命にかかわるほどの大きな被害はなかった。このことがかえって、津波に対する警戒心を低下させ、大震災の悲劇につながった可能性がある。

 津波に対しては被害の大小を考えず避難に徹する。海岸線の長い日本列島に生きる者に、不可欠な心得である。

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