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【主張】はやぶさ2の快挙 初代の失敗と自信を糧に

 小惑星探査機「はやぶさ2」が、大きな山場を乗り切った。

 初代のはやぶさが2度挑戦し、計画通りに遂行できなかった小惑星への着地・離脱を、完璧に成し遂げたのである。

 小惑星探査における日本の技術の高さを世界に示した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の開発、管制チームに最大限の称賛の拍手を贈りたい。

 地球から3億キロ以上離れた小惑星「リュウグウ」の重力は、地球の8万分の1しかない。重力が小さいほど、天体への着地は飛行物体同士の接触に近づく。人工衛星と宇宙ゴミ(デブリ)の衝突を安全な接触に変えるような高度な技術が要求される。

 さらに、リュウグウ表面は予想より岩石が多く、許容される着地目標からの誤差は、想定の半径50メートルから半径3メートルに狭まった。管制チームは予定を延期して慎重に目標地点を選び、戦略も緻密に練り直した。

 初代の失敗経験、困難を克服して帰還を果たした粘り強さと自信が引き継がれ、2代目の快挙に生かされた、といえるだろう。

 地球とはやぶさ2の通信には往復約40分を要する。このため、着地の最終段階では、地球からの指令ではなく搭載した機器で状況を把握し、着地の判断もした。

 自動航行は、火星をはじめ惑星や小惑星の探査では極めて重要な技術であり、難度の高い着地に成功した意義は大きい。

 はやぶさ2は、7月末までにあと2回着地を試み、地中からの試料採取にも挑む。「できることは全部やろう」という精神も、初代から続く、はやぶさチームの良き伝統である。

 帰還予定は来年末だ。初代は通信途絶で一時は宇宙の迷子になり、4基の主エンジンが全部故障する絶体絶命のピンチも乗り越えた。そんな「ドラマ」はない方がいいが、想定外の事態が起きても克服できるはずだ。太陽系と生命の起源に迫る試料を、持ち帰ってくれるだろう。

 失敗経験を正しく引き継いでいくことが、新たな困難を乗り越える対応力を生むことを、はやぶさ2の快挙は示した。宇宙や科学に限らず、多くの企業や組織にも当てはまるだろう。

 日本の将来を担う若い世代には「挑戦する勇気」の大切さを、くみ取ってもらいたい。

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