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【北京春秋】窮地の邦人を見捨てるな

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2018年05月、第6回日中韓ビジネス・サミットに臨む(右から)中国の李克強首相、安倍晋三首相、韓国の文在寅大統領=東京・大手町の経団連会館(斎藤良雄撮影)
2018年05月、第6回日中韓ビジネス・サミットに臨む(右から)中国の李克強首相、安倍晋三首相、韓国の文在寅大統領=東京・大手町の経団連会館(斎藤良雄撮影)

 中国語を話せる人材が総合職の3分の1にあたる千人を超えたとして、大手商社の伊藤忠商事が東京で記念集会を開いたのは昨年4月のことだった。そのわずか2カ月前、中国当局は国家安全に危害を与えた疑いで40代の同社社員を拘束していた。当然事情を知っていたであろう同社幹部や来賓の程永華・中国駐日大使はどんな思いだったのか。

 日本人の拘束は在中邦人にとって重要な安全情報だ。「(同様の罪で拘束された)他の人たちの現状もよく分からない。同じ国に身を置くわれわれは不安だ」(日本人駐在員)。在中邦人の間では動揺が広がっている。1年近くたってもこの事案を把握できなかったことは記者として恥じ入るしかない。

 北京の日本大使館内でも情報共有は少数の上層部に限られていたようだ。商社員拘束の3カ月後には李克強首相が訪日しており、“関係改善ムード”を損なわないために事件を隠蔽(いんぺい)したと判断せざるを得ない。

 起訴された邦人9人(うち4人に実刑判決)が「国家安全に危害を与えた」とする中国側の主張に合理性はない。中国の刑務所内の環境は劣悪とされ、精神障害を来したり獄死したりするケースもある。日本政府には死に物狂いで窮地に陥っている邦人の救出にあたるしか選択肢はないはずだ。(西見由章)

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