PR

ニュース コラム

【主張】「拉致」新方針 家族の切なる心情察せよ

Messenger

 今月下旬の米朝首脳会談を前に、北朝鮮による拉致被害者家族会と「救う会」が新たな運動方針を決定した。金正恩朝鮮労働党委員長に初めて、被害者の即時一括帰国を求める直接のメッセージを発表した。

 メッセージは、「私たちの活動の目的はただ一つ、全拉致被害者の帰国です」と訴え、これが実現すれば「私たちは帰ってきた拉致被害者から秘密を聞き出して国交正常化に反対する意志はありません」と記している。

 帰国者からの聞き取りは本来、政府の仕事である。家族会も救う会も、当然熟知している。

 肉親を無慈悲にさらい、いまなお調査にさえ応じない北朝鮮の独裁政権を胸が張り裂けんばかりに怒り、恨み抜いてきたのは、当の家族である。

 それでも、金正恩氏にこう訴えかけざるを得ない、家族らの切なる心情を察したい。

 拉致被害者もその帰りを待つ家族も高齢化が進む中、米朝の協議が継続し、北朝鮮が外交を活発化させる現在の情勢を「被害者帰国の最大最後の機会」ととらえているからに他ならない。

 新運動方針は、トランプ米政権への協力の働きかけや、アニメなどを活用して学校教育で拉致問題を取り上げ、北朝鮮の人権問題を啓発することなどをポイントにあげている。

 トランプ氏は昨年の米朝首脳会談で拉致問題に関する安倍晋三首相のメッセージを金正恩氏に伝えた。野党などには安倍政権の取り組みを「米国頼み」とする批判があるが、力のある同盟国に助力を頼むのは当然である。

 トランプ氏をノーベル平和賞に推薦したとしても、何ら恥じる必要はない。拉致の解決へ、なりふり構っている余裕などない。

 日本教職員組合の教研集会では、拉致被害者の横田めぐみさんを題材にしたDVD「めぐみ」の上映について「在日コリアンの生徒を傷つけ、日本人生徒の朝鮮人に対する憎悪を助長する恐れがある」などの声が紹介された。

 安倍首相は1月の施政方針演説で「次は私自身が金正恩委員長と直接向き合い、あらゆるチャンスを逃すことなく果断に行動する」と述べた。難しい交渉を支えるのは国民の一致した世論である。家族会の思いを、皆でわがこととして共有したい。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ